こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「打球を身体で止める」というテーマでお話をしていきます。
内野手でエラーをしたりすると「身体で止めろ」と言った声をかける監督、指導者がいます。私も言われていましたし社会人でもそう言ったことを言われてきました。そして身体で止めればたとえアウトにならなくても「ナイスプレー」と言われていました。
なぜ、身体で止めて「ナイスプレー」なのか?
今でもそのように考えている監督、指導者もいるんではないでしょうか?でもこれっておかしいですよね?アウトにできていないのだから「ナイスプレー」ではないですよね。アウトにできていないのになぜ「ナイスプレー」なのでしょうか?
身体で止めろとよく言われるポジションにサードがあります。サードはホットコーナーとも言われ主軸を打つようなバッターの強烈な打球が三塁線を襲います。その打球が三塁線を抜けると長打に確実になります。三塁線を抜けて長打になることを防ぐために身体で止めろと言います。たとえアウトにできなくても身体で止めることで長打になることが防げるので、長打にならずに1塁でランナーを止めたことに対しての「ナイスプレー」なのです。
あとはよく意味の分からない「気合・根性論」です。気合、根性をよく見せたと言う「ナイスプレー」なのでしょうか?私には全く意味が分かりません。そもそも気合や根性が怪我をさせそして守備を下手にしていくのです。
野球ができないくらいの大怪我の危険性
私が、身体で止めることを絶対に勧めない理由の1つが怪我をするからです。当たり前ですが硬式はもちろん軟式だって当たれば痛いです。
大人の私達でも痛いのですから子どもが当たったらもっと痛いですよ。当たり所が悪ければ骨折しますしそれ以上の怪我になる危険性があります。野球ができないぐらいの大けがになる危険性があるのです。
身体の傷は男の勲章?馬鹿言っちゃいけませんよ。そんなもの勲章でもなんでもありませんよ。勲章だの勝つためだのと言って親からもらった身体を傷つけてはいけません。
怪我が多いのは「自分は野球が下手」と言っているようなもの
ちなみに野球をして怪我をする。例えばスライディングをしてすり傷を作る、ヘッドスライディングをして手や胸にすり傷を作る、素振りなどをして手に血豆ができる。こう言った事って「私は野球が下手です」と言っているようなもんです。
ヘッドスライディングは危険がたくさんあるのでお勧めはしませんがヘッドスライディングをして手や腕、胸などにすり傷、またはスライディングをして足にすり傷を作ると言うのはスライディングの仕方が下手くそなのです。その分、スライディングのスピードが落ちますのでアウトになる確率も上がります。
また、素振りやティーなので手の平に血豆を作る選手もいます。これだけ振っていると言う勘違いをして自己満足になりますが血豆ができる、手の皮が擦りむけること自体、手や腕に余計な力が入って上半身に頼ったスイングになっている証拠なのです。正しいスイングをしていると変なところに血豆ができることはないのです。
子どもたちには身体を張った勝ち負けに囚われないでほしい
話の最初の方に社会人時代にも言われたと書きました。やっぱり社会人でも身体で止めるんじゃん!と思った人もいるでしょう。そりゃ身体で止めますよ。負けたら終わりなんですから。勝てば天国、負けたら地獄と言う世界でやっているのですから負けたくないですからね。身体で止めてでも勝ちたいんです。そういう野球観ですから。
子どもたちはどうですか?勝てば天国、負けたら地獄の世界で野球をやっているのですか?私は違うと思います。勝っても負けても天国の世界で野球をやっていると思います。それなら無理して身体を傷つける必要はないじゃないですか。
身体のどこに当てれば痛くないのか、ちゃんと知っておこう
社会人でも身体で止めると言いましたが、では、ちゃんと身体のどこに当てれば痛くないのか?どういうタイミングで身体に力を入れるのか?と言うことが分かってプレーをすることが大切です。
ちなみに、上手な選手は身体ではなくグローブを使って身体で止めます。いくら身体を鍛えているからと言っても骨の付近に当てると折れることは分かっていますし関節などに当てたら次のプレイに支障が出ます。
だから大胸筋あたりに当てます。私は痛いのが大嫌いなので身体に当てて止めることはしません。グローブと言う身体を守る最高の道具があるのですからそれを使います。グローブは捕るだけの道具ではなく身体を守る道具でもあるのです。それを上手に使えば身体を痛めることなく打球を止めることができます。
身体で止めると、守備が上手くならない
身体で止めるのをおすすめできないもう一つの理由は、身体で止めることを考えると守備が上手にならないからです。
バウンドが合わなければ身体で止めればいい。速い打球は身体で止めて前に落とせばいい。こういう考えで守っていれば守備は上手くなりません。
どんな打球でもどんなに速い打球でも自分が一番取りやすくアウトにできる確率が高い形で捕ることがいいのです。いわゆるグラブさばきです。このグラブさばきが上手くなればバウンドが合わなくても身体で止めるのでなく確実にグローブで捕ることができるのです。
私はいつも言っていますがボールから逃げててもいいし、横を向いてもいいからとにかく打球に対して正面に入らないようにしましょう。また正面とは皆さんが思っている正面だけが正面ではないのです。この違いについては動画でも言っているので私のホームページから動画を観てください。
いつもガチガチでどっしり守っているよりもダラーっと力を抜いて守った方が良いパフォーマンスが出せますよ。
それでは、今回は以上にします。
身体の正面とはどこのことをいうのかとお悩みの方【先着10名限定】で無料で個別相談させていただきます。野球に対するお悩み、子どもの上達でお悩みの方は是非、お問い合わせください。
この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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