こんにちは野球カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「ノーステップ打法の打ち方」についてお話ししていきます。今回の内容を動画で観たい方はコチラの動画を観てください↓↓
■ノーステップ打法とは
ステップをする打法と言うのは構えて前足を一回軸足側に引いて、それからピッチャー方向に踏み出す、いわゆるステップをしてスイングをします。
ノーステップ打法とは構えの段階から踏み出し、ステップした位置に足を置き前足を地面から離すことなくうまく下半身を使いながらタイミングを取りスイングをします。
■ノーステップ打法のメリット
ノーステップ打法のメリットですがメリットは2つあります。
①目線がブレない
②無駄をなくせる
①目線がブレない
1つ目は目線がブレないのでミート力が上がります。ステップをすると頭の位置がピッチャー方向に動いてしまいます。頭の位置が動くということは目線もブレてしまいますのでミートする確率が下がってしまいますが、ノーステップの場合頭の位置が動かない、正確には動きますがステップをするときよりも大きくは動かないので目線がブレません。なのでミートする確率も上がってきます。
良いバッターの条件の中に「目線がブレない」「頭の位置が動かない」とよく言われます。バッティングする時、前足を上げる、もしくは前足をすり足で軸足方向に引いてトップの位置を作ります。その後、前足を踏み出しスイングを行うという流れになりますが
この時のバッターの目線は横の動き(テイクバックなど)と合わせ足を上げたり引いたりすることによって縦の動きも発生します。これが目線のブレに繋がります。ノーステップ打法の場合は前の足を上げたり引いたりすることがないため縦の動きがなくなりその分、目線のブレを少なくすることが出来ます。
目線のブレが少なくなるということは、ミート力が上がるので打ち損じや三振を減らせることもできます。
②無駄をなくせる
2つ目はバッティングの一部を省くことができ無駄を少なくできます。ステップする場合は足を引く、それからピッチャー方向に踏み出す。という動きが行われますが、ノーステップの場合、最初から前足をピッチャー方向に出しているので「足を引いてそれから踏み出す」という動作を省くことができます。
私が考えるノーステップ打法の最大のメリットは無駄を少なくできることだと考えています。バッティングはタイミングが大切です。どんなにパワーがあっても、どんなに良いスイングをしてもタイミングが合わないとミートできませんし打球も飛びません。ノーステップで打つことでバッティングスイングの一部を省くことができタイミングを合わせやすくすることができるのです。
■ノーステップ打法のデメリット
もちろんメリットだけでなくデメリットもあります。ノーステップ打法のデメリットと言うのは体重移動があまりできないということです。足を上げたり引いたりすることで軸足に体重を乗せ、軸足に溜まった力を使って勢いよく踏み出すことで体重移動されますが
ノーステップ打法は投手側の足を地面から離さずに小さな動きしか起こさないため体重移動ができにくいと言われます。その他に言われるデメリットとして【手打ちになる】【下半身が使えない】【飛距離が出ない】などが言われます。
しかしノーステップでも打ち方さえ分かれば強い打球も打てますし飛距離も当然出せます。ではどのように打てばいいのか?私が実践してきたノーステップ打法の打ち方について説明します。
■ノーステップ打法の2つの打ち方
ノーステップ打法の打ち方には2パターンあります。
①打球を飛ばしたい場合
②ファーボール、単打狙い
この2つのパターンを状況に応じて変えていました。最初に構え方ですがこの構え方は飛距離を出したい場合もファーボール狙いや単打狙いの場合でも一緒です。
①打球を飛ばしたい場合
ロングティーやホームランを狙うときにどのようなフォームで打ちますか?私は軸足の股関節に力を溜めてステップします。このステップした時の構えにすればいいだけです。バッティングの一部分、トップからステップまでを省いているだけでフォームを変える必要はないのですしスタンスを広くする必要もありません。スタンスが広いと下半身の回転が上手く使えなくなります。
つま先だけ地面に付けてスイングをするときに踵を地面につけてしっかり下半身を使って回転するだけです。
身体を前後に動かしたり、つま先や膝を内側に入れたりする必要はありません。そうすると肩が入りすぎたりするので無駄が増えます。
ノーステップで打って手打ちになるまたは下半身が使えないというのはせっかく無駄をなくすためにノーステップ打法にしているのにわざわざ無駄を作ったり、力が抜けた状態で待っているから下半身が上手く使えないのです。
なので飛距離を出したい場合は、下半身に力が溜まった状態で待って前足の回転、後ろ股関節の突き出し、上半身の回転を使って打つ。これができればノーステップでも飛距離を出すことができます。
②ファーボール、単打狙い
2パターンはファーボール狙いや単打狙いの場合です。あまり小学生や中学生にはおススメはできませんが、私の場合、1番バッターだったのでとにかく塁に出ることが私の役割でした。良いピッチャーになれば簡単にヒットを打つことはできなかったので、何とか塁に出るために最初からファーボール狙いで打席に立つこともありました。
その場合は、構えは先ほどと同じです。違う点はミートポイントを思いっきり引き付けて回転を少しだけにします。身体の回転や腰を回転をさせて打つというよりは身体の開きを抑えて打ちます。打ったポイントをずっと見るようにスイングすればファールになります。
ここで注意して欲しいのは「ファールで粘る」「カットをする」というと、多くの選手が当てに行ったり手だけで打ちに行こうとします。このようなスイングだとフェアーゾーンに入ってしまいボテボテのゴロになります。なのでカットをする、ファールを打つにしてもしっかり振ることが大切です。
単打を狙う時も同じです。身体の回転や開きは抑えるけど、その分、素早く身体を動かしてしっかりと振ることが大事です。ファールを打つ、単打を打つからと言って当てに行くようなバッティングはおススメしません。しっかりと振っていきましょう。
■ノーステップ打法を覚える練習方法
ノーステップ打法で打つ練習方法はマシーンとか手投げで練習するとタイミングが合わないので基礎作りとしてひたすら素振りかティースタンドを使ってしっかり下半身を使って打つ練習することをおススメします。
ノーステップ打法だからと言って下半身を全く使わないわけではありません。むしろ下半身を使わないとノーステップ打法では強い打球や遠くに飛ばすことができません。ノーステップ打法を取り入れたいのであればまずは下半身の動きを覚えてから取り組んでみてください。
下半身の使い方についてはコチラの動画を参考にしてみてください↓↓
【わかりやすい】ヘッドスピードを加速させる!飛ばす下半身の使い方
バッティングで踏み込む意味が分ると飛距離が伸びます
■練習しているときの感情が大事
今回紹介した練習をコツコツと続けていくことが大事なのですがもっと大事なことがあります。それは練習をしているときの感情です。「自分は下手だから練習しないと上手くならない」「やらなければいけない」「ライバルに負けたくない」と言う焦りや不安の感情で練習をしても試合でも焦りや不安を感じてしまう結果になってしまいます。
自分は下手くそだから練習をしているのか?練習が楽しいから練習をしているのか?この違いは大きな差となって現れます。今回紹介した練習も「面白そう」「楽しそう」というワクワクの感情になったら取り組んでみてください。
普段の練習も「やりたいからやる」「楽しいからやる」そういうワクワクする感情で取り組んでみてください。技術より大切なのは感情です。詳しくはこちらのブログ一覧を読んでみてください↓↓
■まとめ
今回はノーステップ打法の打ち方についてお話してきました。足を上げて打つとタイミングが取れない選手や追い込まれてから粘りたい選手、出塁率を上げたい選手などはノーステップ打法を取り入れてみてもいいと思います。しかし、ノーステップ打法を取り入れる場合は下半身の使い方、体重移動の仕方がとても大事になってきます。ノーステップ打法で下半身を使わず腕だけで振っていたら強い打球を打つことも、打球を遠くに飛ばすこともできません。ノーステップ打法を取り入れるなら下半身の使い方も一緒に覚えるようにしてみてください。
また関連動画もありますのでそちらも一緒に観てください。
タイミングが合わない、体重移動が苦手、下半身を使えない選手はノーステップ打法で打つ
それでは、今回は以上にします。
この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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