【見たくない】 出番のないまま終わる試合後のグラウンド

試合が終わって、

他の家族が笑いながら帰っていく音が、遠ざかっていく。

あなたは車のシートに座ったまま、ドアを半分だけ開けて、グラウンドの方を見ていた。

白線が消えかけた駐車場の砂利を踏む音。

荷物を後ろに放り込んだ時の、鈍い音。

運転席に座ったはずなのに、すぐにエンジンをかける気になれなくて。

窓を少しだけ開けたまま、ただ、聞いていた。

「今日もナイスファイト!」

「次も頑張ろうな!」

誰かのお父さんが、声を張り上げている。

「うちの子、今日めっちゃ動けてたよね!」

ママ同士が、笑いながら話している。

その声が、風に乗って、こっちまで届いてくる。

…で、あなたは、その声を聞きながら、

『どうしてウチだけ…』

って、目を伏せた。

 

この感覚を、僕は言葉にできなかった。

だから、声で残しました。

もしよければ、運転席で、イヤホンをつけて、聞いてみてください。

 

試合が終わったら、すぐに帰れるはずだった

他の家族は、次々に帰っていく。

車のドアが閉まる音。

エンジンがかかる音。

タイヤが砂利を踏む音。

それが、ひとつ、またひとつと、遠ざかっていって、

気づいたら、もう駐車場には自分の車しか残っていない。

あの子を車に乗せて、

「お疲れさま」って言って、

普通に帰るはずだった。

でも、その「普通」が、できなかった。

何が違うのか、分からない。

ただ、今日も試合に出られなかったあの子の横顔を見た時に、

何も言えなくなった。

「今日も頑張ったね」

その言葉が、嘘くさく聞こえそうで。

結局、何も言えないまま、エンジンをかけた。

 

「比べちゃダメ」と分かっているのに

何が一番しんどいかって、

「比べちゃダメ」

「焦っちゃダメ」

「ママが不安だと伝わる」

って、全部分かってるのに、

それでも、他の子と比べてしまって、

「どうしてウチだけ…」

って、思ってしまう自分が、

一番、許せなくて。

レギュラーになれない親の気持ちを

誰にも言えなくて。

「うちの子、今日も出られなかった」って

口に出せなくて。

補欠の親として、

「恥ずかしい」とか、

「申し訳ない」とか、

そんな感情を抱いてしまう自分が、

母親失格に思えて。

試合に出れない子の親が、

こんなこと考えちゃいけないって、

そう思えば思うほど、苦しくなっていく。

家に帰って、

泥だらけのユニフォームを洗濯機に放り込んで、

スイッチを押したあと、

キッチンで一人になった時に、

ようやく、肩の力が抜けて、

でも、気持ちは、全然抜けなくて。

少年団のレギュラー争いに、

親である自分が、こんなに揺れていることが、

情けなくて。

他の子と比較してつらくなる自分を、

止められなくて。

「スポーツ、向いてないのかもしれない」

そう思ってしまう夜が、

何度もあった。

 

誰が悪いわけでもない

…あのね、

これ、誰が悪いわけでもないんだよ。

あなたが比べてしまうのも、

焦ってしまうのも、

「どうしてウチだけ…」って思ってしまうのも、

それ、選んでやってるわけじゃない。

試合が終わった駐車場で、

他のママたちの笑い声が聞こえてきた時に、

その音が、耳に入ってきて、

そこに、あの子の姿が重なって、

気づいたら、もう胸が苦しくなってた。

それ、あなたが起こそうとしたことじゃない。

気づいたら、もう起きてた。

僕も、選手として試合に出られなかった時期があって、

ベンチから見る景色が、どれだけ遠く感じるか、知ってる。

でも、その時に一番きつかったのは、

「試合に出られないこと」じゃなくて、

「なんで自分だけ…」

って思ってしまう自分を、

どうしても受け入れられなかったこと。

で、ママであるあなたは、

その「出られない側の景色」を、

自分の子どもが見ていることに、気づいてしまって。

試合後、車に乗った時の、あの子の横顔。

何も言わずに、窓の外を見てるあの表情。

それを見た時に、

何も言えなくなった。

 

親としてどうあるべきか、を握りしめ続けていた

苦しいのは、

レギュラーになれないことじゃなくて、

試合に出られないことでもなくて、

「親としてどうあるべきか」を、

ずっと、握りしめ続けていたことかもしれない。

励まさなきゃ。

支えなきゃ。

信じなきゃ。

不安を見せちゃいけない。

比べちゃいけない。

焦っちゃいけない。

そうやって、

ずっと、何かを背負い続けてきた。

試合後のグラウンドの水まき。

土埃が一瞬だけ静まって、

また、風が吹いたら舞い上がる。

それと同じで、

あなたの中の不安も、比較も、焦りも、

降ってきては、消えて、

また、降ってくる。

それを、止めようとしなくていい。

消そうとしなくていい。

エンジンをかけられなかった、あの車の中で

夕方のグラウンドに、影がゆっくり伸びていく時間。

試合が終わって、人の声が遠ざかっていく中で、

一台だけ、まだエンジンがかかってない車。

その車の中で、

あなたは、ただ、座ってた。

それでいい。

それで、十分。

車の窓を、少しだけ開けたときに入ってくる風。

グラウンドの土の匂い。

遠くで聞こえる、誰かの笑い声。

それが、全部、そのまま通り過ぎていく。

あなたが、何かをしたわけじゃない。

ただ、風が、吹いてきただけ。

もし、言葉にならないままの夜が続くなら。

それが、そのまま置ける場所をページの端に残しています。

気づかれなくても、

大丈夫な形で。

 

 


この記事を書いたのはこんな人 


沖増 茂伸(おきます しげのぶ)|ママの心をほどく専門家

元社会人野球選手として10年間、都市対抗野球全国大会優勝など勝負の世界の最前線に身を置いてきました。

引退後、マンツーマンレッスンや個別相談を通じて多くの親子と向き合う中で気づいたのは、「子どもを支えるママ自身が、誰よりも孤独で、自分を責め続けている」という現実でした。

僕の役割は、野球の技術を教えることではありません。

一人ひとりのママが抱える「誰にも言えない本音」を聴き、頑張りすぎてガチガチになった「心の鎧」をそっと脱がせることです。

選手時代の経験と、これまで伴走してきた親子の皆さんの声から、スポーツキッズママ特有の孤独に、一番近くで寄り添います。

「ママ」を脱いで、一人の女性として、ふぅっと息を吐ける毎日を一緒に作っていきましょう。


■ 親子で輝く!スポーツから学ぶ人生変革メッセージ


試合後の駐車場で、ひとりだけエンジンをかけられなかったあなたへ。

「頑張らなきゃ」で固まった心を、そっと緩める。1人で戦うママへ届ける、お守りのようなメッセージ。

Instagramでは、こんな夜のために、「深呼吸できる言葉」を置いています。

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