【逃げたい】母親の役割を外したくなる深夜の玄関

グラウンドの砂が、

シューズの中に残ったまま、

家に帰ってくる日がある。

ユニフォームの泥を落としながら、

なんか……

自分の手が、他人みたいな感じがする夜。

 

声が聴きやすければ、このまま音声でどうぞ。

文字の方が今夜は合う、という人は、このまま読んでください。

 

鍵を、握ったまま立ってた気がする

深夜の玄関って、

妙に静かで。

家の中の音が、ぜんぶ止まってる。

誰も起きてない。

呼吸の音も、しない。

自分の呼吸だけが、

なんか……変な感じで、そこにある。

 

車の鍵を、

ポケットに入れないまま、

ずっと手に持ってることって……

あったりする。

べつに重くもなくて。

でも、

離せない。

 

ガチャリ、って音が鳴ったあとで、

なぜか、

何秒も動けなかった夜のことを、

思い出したりする。

鍵を回せば入れる。

それだけのことが、

なんか……

ひどく遠かった。

 

信号が青に変わるのを、待てなかったまま

帰り道の、

信号待ちの数秒って、

すごく静かで。

青になるのが、

こわかったりする。

あの感じが、何なのか、

よく分からないんだけど……

 

サービスエリアのトイレの蛍光灯、

白くて、うるさくて。

鏡の前に立つと、

一瞬、

自分の名前が、

どこかに行ったみたいな感じ、

したりする。

 

レッスンが終わって、

子どもが駐車場の方に歩いていくのを、

見送ることがある。

車のドアが閉まったあと、

一瞬だけ、

動かない車が、

あったりする。

あの数秒に、

何があるのか、

僕には分からない。

 

応援席の端の方にいたまま

応援席って、

端の方が、

いやすかったりする。

いる理由を、

説明しなくていいから、

かな……

そんな気がする。

 

インターチェンジの看板が、

夜は光ってて。

どこにでも行けそうな感じが、

したりする。

どこにでも。

 

川沿いの道を、

夜中に走ったことが、

あったりする……

役割が、

ぜんぶどこかに落ちてしまったような時間に。

あの道の暗さが、

べつに怖くなかった。

 

呼吸の仕方を、忘れてた気がする

玄関のタイル、

冷たくて。

外の空気が、

少しだけ残ってた。

鍵が、

手の中で、

温くなってた。

 

どうやって吸うんだっけ、

って、

思う夜が、

あったりする。

胸が、

なんか、

動かなくて。

 

鍵を、

まだ持ってた。

 

 

ここに書いた時間の続きを、

そのまま置いている場所があります。

整えなくていいまま、

言葉が出なくても止めないまま。

 

 

 


この記事を書いたのはこんな人 


沖増 茂伸(おきます しげのぶ)

元社会人野球選手。今も、応援席の端にいます。

言葉が出てこなくなる時間や、判断が止まったまま座っている背中を、何度も見てきました。

このブログでは、正解も、意味も、まとめも置いていません。

読んで、閉じて、そのまま残っても、何も起きなくても大丈夫な場所です。

 


静かに、判断を止められる場所


今の心の状態を、静かに確認できるシートをLINEでお渡ししています。
それから……もし誰にも言えない本音や、やり場のない言葉があれば、そのLINEにそっと置いていってください。

▶︎ 心の荷物をおろしに行く

 

 

もし、一人で考え続けるには少し疲れてしまったら、静かに話すためのマンツーマンレッスンの時間があります。

正解を探したり、何かを変えるための場ではありません。

これまで飲み込んできた判断や言葉を、整えずに、そのまま置く時間です。

マンツーマンレッスンについてはこちら

 

 

沖増茂伸の詳しい物語(プロフィール)はコチラから