打てないのは練習が足りないからだ!というアドバイスについて

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こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「打てないのは練習が足りないからだ!」というテーマでお話をしていきます。

私がやっているバッティング教室に初めて来る子どもやお父さん、お母さんから必ずと言っていいほど質問してくる言葉があります。「試合で全く打てないし練習をしているのですが打てるようにならないんです。どうしたらいいのでしょうか?」「どのような練習をしたらいいのでしょうか?」

 

もしあなたが指導者だったらどのように答えますか?「バッティングセンターでたくさん打ってください」とか「家でも素振りをしてください」と言うアドバイスをしますか?

 

ではバッティングセンターでたくさん打つにしても「遅い球を打った方がいいのか?」それとも「打ちやすい球を打った方がいいのか?」と聞かれたらどのように答えますか?「ボールをしっかり見るために遅いボールで打ちましょう」とアドバイスしますか?

 

私はいつもこのように聞かれると「分かりません」と答えます。当然質問したお父さん、お母さんは「えっ?」と言う顔をします。皆さんも「えっ?」と思ったはずです。正直どのような練習をしたらいいのかなんて分かりませんよ。

 

なぜかって?そりゃそうですよ!その子どもがどのようなスイングをしているのかも分からないしいいところも分からないのに最初っから「素振りをしてください」とか「こう言う練習をしてください」と言う無責任なことは言えませんよ。

 

昨日も初めてバッティング教室にきた子どもとお母さんとお話ししました。「試合で打てないんです」と、当然の質問をしてきましたので「まずはバッティングを見ましょう」と言うことでさっそく打ってもらいました。お母さんとお話ししながら「なるほど」と思おうことがたくさんありました。

 

今、通っている少年野球チームでは帰ってからも素振りをすることを言われているそうです。だから家に帰っても毎日素振りをしているものすごくまじめな子どもです。バッティングセンターでも遅い球で練習した方がいいと思い遅い球を打つ練習をしていました。実際に打っているスイングや構え方などを見ましたがこの子はいいスイングしているし間違いなく打てる選手になれると思うほど素晴らしい素質を持っています。

 

では、なんで試合で打てないのでしょうか?この子の場合は自分のスイングスピードが速いことが分かっておらず小学生低学年の投手が投げるスピードが遅すぎるのでポイントがものすごく前(投手側)になり当てるだけのスイングになってしまうためフライのアウトが多いのです。

 

だから私は小学低学年には早いと思われる95キロのゲージに入って打つように指示しました。「打てなくてもいいから思いっきり振って」と言い打席に入ってもらいました。当然、ヒット性の打球はもちろん前に飛ばすことはできませんでしたが私の狙いはそんなところにありません。ファールチップになっても空振りになってもそんなことは関係ありません。私はその子のスイングレベルを知りたかったのです。

 

遅い球に対して打てなかったのは待ち切れないため体重が前に突っ込んでしまいスイングが波を打つ感じで当てただけのバッティングになっていましたが、速い球になれば下半身を上手に使いヘッドが効いているスイングになっているのです。ものすごく理論に沿ったスイングになっているのです。カッコいいスイングなのです。

 

だからこの子の場合は遅い球を打つ練習はしないように言いました。しかも、速い球で打つのも今はしなくていいですとも伝えましたし「素振りもしなくていいです」とも言いました。当然、子どもやお母さんは「えっ」ですよね。

 

少年野球では「素振りが大切」と言われて毎日、続けてきたのですから「素振りもしなくていい」と言われたら「じゃどうすれば?」になりますよね?この後のアドバイスの仕方が「他の指導者と違う」と言われているところなのですが

 

普通に考えたら当たり前だと思うし野球の経験(野球の経験とはただ単に何年間、野球をやってきましたと言う経歴ではなく、どうすれば上手くなるのか悩んで、考えて、いろいろ試しジタバタした期間の経験のことです)が長いのでいろいろなアドバイスや練習方法を伝えることができるのです。

 

「素振りを1日200スイングはしろ!」「振って振って打てるようになる」なんていう理論も理屈もない身勝手な発言はしません。素振り1日200スイングをノルマにした指導者が付きっきりで200スイング見てくれるのであれば問題ありませんが、選手のスイングがどうなっているのか分からないのに200スイングさせたらどんどん打てなくなりますよ。私は今日、初めて来た子どもとお母さんにはハッキリ言いました。「今のスイングで素振りを毎日してたら打てなくなりますよ」

 

もちろん、なぜ打てなくなるのかもちゃんと理由を説明してあげます。この子の場合は先ほども言いましたが自分のスイングスピードが速いのに気づいていないことと、最大の問題点は自分がどこでボールを打っていいのか分かっていないのです。いわゆる自分が打てるミートポイントが目、頭、身体が分かっていないのです。

 

自分の力が100%出し切れるポイントを分かっていないのでいくら素振りをしても、いくらバッティングマシーンを打っても打てる選手にはならないのです。だから、素振りもやめて今は自分がどこで打てばいいのか?と言うミートポイントを探す練習から始めた方が打てる選手への近道なのです。

 

ここでもよくある質問ですが「ミートポイントはどこですか?」これもよく聞かれる質問です。へその前?ホームベースの真ん中?いろいろ言われていますが、結論から言いますと選手によって全く変わってきます。その選手の体格、スイング、筋力、そう言ったものをすべて読み取り選手にアドバイスをするのです。

 

指導者がミートポイントは「ここ」と教えてしまうと子どもは考えなくなってしまいます。なぜ、ここがミートポイントなのかも説明しながらどうすればこのミートポイントで打てるのかを指導者が考え子どもに考えさせながら練習をしてくのです。

 

こう言った子どもたちの能力、スイング、良いところ、修正するところ、そう言ったことを考えながら練習メニューは決まってくるのです。打てないからと言って「素振りが足りないから毎日しろ」とか「とにかく打ち込め」などと選手の技術を無視した指導方法では決して子どもたちの能力を伸ばすことはできません。

 

子どもたちがまた明日も練習がしたい、野球が楽しいと言える環境づくりを私たち野球に携わる大人たちが作っていきましょう。グラウンドに大人たちの大きな声はいりません。大切なのは子どもたちの笑顔と笑い声です。

 

それでは、今回は以上にします。

 

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この記事を書いたのはこんな人


沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー

◆元社会人野球選手(現役10年)

◆都市対抗野球全国大会優勝

◆東海地区ベストナイン受賞

◆ベーブルース杯大会首位打者

◆東海地区春季大会首位打者

 

子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。

 

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