一方的な指導ではなく子どもに考えさせる指導をしよう

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こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「一方的な指導」というテーマでお話をしていきます。

私がバッティング教室をする場合はバッティングセンターで教えることもあります。バッティングセンターには私と同じように子どもたちにバッティングを教えている指導者やお父さんをよく見かけます。とても熱心に教えているので私も学ぶことが多くあり私自身も貴重な時間になっています。

 

どんなことを指導しているのか、どういった言い方をしているのかとても気になるのでついつい聞き入ってしまうほどです。「こんな言い方もあるのか」「この教え方は理にかなっているな」「この言葉を使うと子どもは笑顔になるんだな」などと参考にさせてもらっています。

 

しかし、時には論外なことを言っている指導者やお父さんもいますが「残念」としか言いようがありません。

 

つい最近、ふと気づいたことがありました。それは私がバッティング教室の時間を30分早く間違えてバッティングセンターにいた時に、30分ただ待っているのはもったいないなと思い、指導している人の近くに行ってどんな感じでアドバイスなどをしているのか見ながら聞きながら観察していました。

 

その時は嬉しいことに「ちゃんと勉強している、経験からものを言っていない」指導者やお父さんが多かったのです。子どもを見ながら「私だったらこうアドバイスするな」と思っていたことと指導者がアドバイスしていたことが同じだったので私自身も「よかった」と安心しました。

 

アドバイス通りに打ったらいい打球が飛ぶしスイング自体もきれいなスイングになっています。子どもも満足な表情をしていました。指導者も「いいよ!」「その感じ」と褒める言葉もたくさん使っていたし「ダメ」「もっとこうしろ」と言うような言葉も使っていませんでした。

 

そのままいい感じでバッティング練習が終わって子どもと指導者が話をしていたのを聞いていたのですがその時に私は「あれ?」と一つの疑問と言いますか、それだけのアドバイスで終わっちゃうの?と言う感じになったのです。

 

なぜ私がこのような感じになったのかと言うと指導者の言っていることはとても正しいのですが子どもに対してアドバイスが一方的になっていたのです。指導者が子どもに対して「今のは良かったよ」だけとか「次はこういう感じで打ってみて?」と子どもの意見を聞いていなかったのです。

 

私は野球を指導するときにいつも気をつけていることがあります。それは「選手がどう感じているか」です。これはバッティングだけでなく走塁や守備においてはもちろん考え方なども「どう感じているか」を大切にしています。

 

例えば、バッティングで言うと私はダウンスイング(上から叩くスイング)は絶対に教えません。だから私はアッパースイングをさせます。このアッパースイングが良いとか悪いと言うのではなくバッティングの修正のためにアッパースイングで振らせます。

 

この時にアッパースイングで振らせて「振りやすい?振りにくい?」と聞きます。そうすると子どもは答えます。振りやすいと答えればそのままアッパースイングで振らせますし、振りにくいと答えればその子どもに合ったスイング方法を考えて教えるのです。

 

私がいつも言っていますがアドバイスの引き出しの数は多く持っていた方がいいのです。「この子どもにはアッパースイングは振りにくいのであればこう言った方法をさせよう」とか「この子には足を上げて打つのは難しいのだからすり足で体重移動できる方法を教えよう」とその子に合った打撃スタイルが見つかるのです。

 

この方法がいいからこの方法で打てるようになるまで練習しろ、などと言うようでは指導者として経験値が足りないと言っているのと同じです。だから私は子どもたち(大人もそうですが)アドバイスをした後に今の感じは打ちやすい?難しい?どうやっていいのか分からない?そう言ったことを細かく聞いていくことを大切にしていきます。

 

そしてもう一つとても大切なことを質問します。これが分からないといくら練習しても上手くならないし結果が出ても結果を出し続けることはできません。

 

私は社会人野球選手時代は常にこの質問を自分自身に問いかけ答えを出してきました。この答えを出して、その答えができる確率を上げるために練習をしてきたのです。私たちの練習する意味はここにあるのです。とても重要なことなのです。

 

私が最も大切にしてきている質問は「今のなんで打てた?何をしたから打てた?どうなったから打てた?」この質問です。この答えが分かり答え通りにできる確率が上がれば結果が出続けるのです。

 

子どもたち(大人もそうです)にバッティングでいいスイング、いい打球が連続してできた時に私は「今のはとてもいいスイングだったよ。どうやったらあのスイングができるか自分でわかる?」と聞きます。ほとんどの子どもは「分からない」と答えます。そう答えるのが普通です。

 

その答えが分かるようになるまで練習するのが練習の目的なのです。「今の感じがよかった」「今日は感じがよかった」で終わってしまってはもったいないのです。具体的に何がどうよかったのかが分からないと明日は感じが悪くて自分で修正ができなくなるのです。

 

私は社会人野球選手の時、今でもそうですが自分のバッティングのチェックポイントを分かっています。このチェックポイントを分かっているからこそ少し調子が悪くても自分自身で修正できるのです。ここを自分で見つけ修正できるから結果を出し続けることができるのです。

 

その証拠に私は先ほども言いましたが自分のバッティングのチェックポイントを分かっています。自分自身でそれが分かっているので修正はできますが、今は毎日のようにバットは振らないし走ったりすることもなくなったのでバッティングのチェックポイントを修正するのに時間がかかります。

 

なぜならこうすればヒットが打てると言うチェックポイントが少しずつずれていくからです。だからプロ野球選手や社会人野球選手は毎日練習しますし、休日返上で練習をするのです。

 

なぜヒットが打てたのか?なぜ感じよく振れたのか?子どもたちにはこの質問は必ずするようにしてください。もちろんバッティングだけでなく守備や走塁、ピッチャー、または野球以外でも自分が上手くできた理由を考えることは将来必ず役に立ちます。監督や指導者の一方的なアドバイスでは考える力と言うものがなくなります。自分で考えて出した答えは忘れることはないのです。だからこそ結果が出し続けれるのです。

 

「センター方向にホームランを打つ意識で振った」「腰を引くイメージで振った」「インパクトの瞬間に右腕を強く押し込めた」「タイミングを早く取りボールを見る時間を長くした」などと言った自分なりの答えを出して、その答えが正解だったかどうか答え合わせをすることが練習の目的です。

 

それでは、今回は以上にします。

 

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この記事を書いたのはこんな人


沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー

◆元社会人野球選手(現役10年)

◆都市対抗野球全国大会優勝

◆東海地区ベストナイン受賞

◆ベーブルース杯大会首位打者

◆東海地区春季大会首位打者

 

子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。

 

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