今回は
外野手の守備位置について指示を出すときその根拠はありますか?
についてお話していきます。
外野手のポジショニングについて考えるときにあなたはどのように考えますか?
例えばあなたは監督です。あなたのチームは現在守備についています。
2アウトランナーなし。迎えるバッターは4番筒香選手(左打ちの引っ張りが多い選手)。
外野手がベンチに守備位置の確認をしています。
監督のあなたはどのように守備位置の指示をしますか?
いろいろな考え方があると思いますが答えは必ず一つではないのです。
答えはたくさんあるのです。
しかし、なぜそのような根拠になったのか?
これが一番大事になるのです。
先ほどの例えで言うと、おそらくバッターは左で引っ張りだからライトをライン線寄りに守らせてセンターとレフトもライト方向に寄る。
と考える人もいるでしょう。
いやいや私はセンターだけライト方向に寄らせる。
と言う考えの人もいるでしょう。
ではどのような根拠があって守備位置を動かしたのでしょうか?
何度も言いますがここが重要です。
根拠と言われましても・・・
左バッターの引っ張りだからライトまたは右中間に打球が行く可能性があるからと言う根拠なんですが・・・
こう言った根拠では絶対的な根拠ではありません。
絶対的な根拠とは必ず動かした守備位置に打球が飛びアウトにできると言う絶対的な根拠なのです。
この絶対的な根拠がない限り守備位置を動かす必要がないのです。
そして私は少年野球や中学生野球での大きく守備位置を動かす必要性を全く感じません。
「右に寄れ!」
「左に寄れ!」
とベンチから大きな声で指示を出している監督や指導者を多く見ますが、いつ見てもよくわからない根拠で動かしています。
そして絶対に動かした守備位置には打球は飛んできません。
飛んでいくはずがありません。だって根拠がないしその位置に動かしてその位置に打球が飛んでいくシナリオが
できていないのですから。
「シナリオ?」
と思ったあなたは本当に根拠がない守備位置の動かし方をしていますよ。
気をつけてくださいね。
守備位置を動かすにはシナリオが必要になるのです。
私がなぜ少年野球や中学生の野球で大きく守備位置を変える必要がないと言っているのかお伝えします。
基本的には少年野球や中学生の外野の守備位置は
レフトはサードとショートの間
センターはセカンドベースの後ろ
ライトはセカンドとファーストの間
これを基本に守備位置にすればいいと思っています。
私が社会人野球選手だった頃の守備位置のポジショニングについてお話しします。
私はセンターだったこともあり他の外野手よりも守備位置は大きく変わってきます。
まずシナリオがないバッターには先ほど言ったようにセカンドベースのライン上で守っていました。
多少、右バッター左バッターや投手によっては右左に位置を変えていましたが大きくは変わりません。
次にシナリオがあるバッターの場合ですが
これはすべてデーターで動きます。
初球に投げる球から打ち取る球まで決まっています。
大会になると試合前日にはミーティングが行われます。
最初は全体で対戦相手の戦略や対策を考えるミーティングでがあります。
それが終わるとピッチャー、キャッチャー、外野手のミーティングが始まります。
これはどういった内容のミーティングかと言うと
明日の対戦相手の予想オーダーを決めます。
この予想オーダーはコーチが取ってきたデーターを参考におおよそのオーダーが決まります。
1番打者から9番打者、代打で出てくる控えの選手の分析をしたシートを基準にキャッチャーが配球を決めるのです。
最初の例え話に出てきた場面を私がいたチームではどのようにシナリオを決めていたかと言うと。
私たちのチームの先発投手は左投げのスライダーやカーブの得意なピッチャー。
対して左の引っ張りの選手。
まずキャッチャーからこのバッターはストレートに強いのでストレートでは勝負しません。
ストレートは見せ球もしくはファールにさせるストレートを投げます。
打ち取るボールは外の変化球(スライダー)です。
基本的には外中心に投げます。
なのでこの4番バッターの時には右中間の長打は無いのでレフトはレフト線寄りで前に守ってください。ポテンヒットを防ぎます。
センターは極端にレフト寄りに守ってください。打ち取るスライダーは高い確率で左中間のフライになります。
ライトはコントロールミスで真ん中に入った時に右中間の長打を防ぐために右中間後方に守ってください。
長打を防ぎます。それよりも引っ張れば必ずファールになります。
と言った感じで1番から9番までと代打で控えている選手のシナリオを考えて明日の試合に臨むのです。
かなり徹底されています。
このシナリオがあるから私も守備位置を大きく変えることができるのです。
決してスイングを見てこっちにきそうだな!とか右バッターだからこっちに守ろうかな!
と言う根拠で守備位置を変えることはありません。
根拠がなければオーソドックスな守備位置にいればいいのです。
しかも、キャッチャーが描いたシナリオ通りの配球をするコントロールもピッチャーに求められるのです。
キャッチャーの配球、ピッチャーのコントロールがあってこその根拠なのです。
それがあるから外野手の私も守備位置を変えることができるのです。
だからコントロールが悪いピッチャーの時はシナリオが作れないから大きく守備位置を変えることはしません。
今、私は草野球チームでも外野を守っていますが当然シナリオなんてありませんし
正直、ピッチャーにコントロールも求めていないので守備位置はいつもセカンドベース上に守っています。
私ぐらいの経験があればバットスイングとピッチャーの球質で
この辺りに飛んできそう!とかこの辺に守っておこうと言うのはあります。
しかし、ほとんど飛んできません。
オーソドックスな守備位置にいればたいていの打球は捕球できますから。
プロ野球選手や社会人野球選手は緻密なデータとキャッチャーの研究とピッチャーのコントロールがあってこその
根拠のある守備位置になるのです。
しかも毎回同じようにはいきません。
いくらプロだろうがコントロールミスはありますし配球ミスだってあります。
と言うことは少年野球や中学生野球でここまで求める必要はありますかね?
必要はないですよね。
であれば根拠もなく守備位置を変えるのではなく
オーソドックスな守備位置にいればいいのです。
オーソドックスな守備位置からずれていたら戻せばいいのです。
「さっき左中間に飛んでるぞ」「もっと左中間に寄れ」
意味ありますか?
根拠はありますか?
絶対にないですよ。
好きなように守らせてあげてください。
基本はオーソドックスな守備位置を教えてあげることです。
というわけで今回は
外野手の守備位置について指示を出すときその根拠はありますか?
というテーマでお話ししてきました。
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それでは、今回は以上にします。
この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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