こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「1番打者は足が速い選手を選ぶ?」というテーマでお話をしていきます。
監督や指導者からこんな質問をされます。「足が速い選手を1番にした方がいですか?」またお父さんお母さんからも質問されます。「自分の子どもは1番を打ちたいのですが足が速くないと1番は打てないですか?」と言うことをよく聞かれます。
私自身が1番を打っていったこともあり足も相当速かったので(50メートル5秒8です)そう言った質問が増えるのでしょうが私は決まって「足の速さは関係ないです」と言っています。では何が必要なのでしょうか?「選球眼の良さ!高い出塁率が必要!」と答えるかもしれません。
そう答えたあなたに聞きます。なぜ足が速い選手や選球眼、出塁率が良い選手が1番になった方がいいのでしょうか?そりゃー先頭打者が塁に出たら相手にプレッシャーも与えれるし、足が速い選手ならなおさら相手チームも嫌だろうし、攻撃にリズムができるからじゃないですか・・・・
なるほど。では2番打者の条件は何でしょうか?バントが上手く状況によってケースバッティングができる器用な選手。と答えるでしょう。確かにごもっともな意見ですし間違ってはいないと思います。しかしこのように答えるのはなぜなんでしょうか?じゃ私はどのように答えるかと言うと1番を打つ条件は「監督次第です」と答えます。監督がどんなチームにしたいか、攻撃をどんな形にしたいかで打順は決まってきます。
先ほどの1番打者の条件、2番打者の条件と言うのは既成概念なのです。周りが1番打者はこう言ったバッターが良いと言われているから自分もこうと言わなければならない、もしくはそうなんだと思い込んでします。だから1番打者は足が速くて選球眼が良いバッターがなる。1番バッターはバットを短く持ってコツコツと当ててくるバッターが尚更いいと思い込んでいるのです。2番バッターの条件も同じことが言えます。
私自身、チームでは1番バッターを打っていました。先ほどの条件で言うと足は全国でもトップクラスの俊足、選球眼もよくファーボールやデットボールも多く出塁率は高くバットを短く持ち単打だけを狙うバッターでした。しかし初めから1番バッターを打とうと思っていたわけではありません。私自身、子どものころはミスター赤ヘルと呼ばれた山本浩二選手に憧れて打っていたので当然ホームランが打てる選手を目指していました。
しかし、いくらホームランを打てる選手を目指して練習していても試合に出られなければ意味がありませんし、それこそ数年でクビになっていました。とにかく試合に出なければ意味がないので私がレギュラーとして試合に出るためにはどうすればいいのか?を考えて当時のスタイルが出来上がったのです。
ただ、スタイルが出来上がったとはいえ1番を打とうとは思わなかったのですが当時の監督は私のようなタイプを1番打者にしたかったのでチーム事情や監督の理想に合わせた形で1番打者になったのです。
もし、当時の監督が1番打者はコツコツ打つよりも長打も打てるバッターが良い!と思っていれば私は1番を打つことはなく長打の打てる監督の理想の選手が1番打者になっていたでしょう。そうであれば私もレギュラーとして試合に出れていたかもわかりません。
実際に私が1番打者として大会に出ていました。社会人野球のメイン大会でもある都市対抗選手権の予選でも1番打者として試合に出ていました。当然1番打者としての役目を果たし予選通過をすることができましたが、実際の都市対抗本選では私は1番打者として試合に出たのでなく2番打者として試合に出ました。
その時に1番打者に選ばれたのは長打力のあるベテランの選手が1番打者に選ばれました。
1番打者の条件にもありました足が速くて出塁率が高い選手ではなくホームランの打てる普段なら4番打者を打つような選手です。この選手は補強選手(予選敗退したチームから数人補強選手として借りることができるシステム)できた選手です。当時の監督は都市対抗本選では打ち勝つチーム、打撃力のあるチームを作りたかったので予選とは違う打順になったのです。
このように考えると打順と言うのは監督がその時にどういったチームにしたいのかによって変わってきます。だから1番打者の条件とか2番打者の条件と言うのは当てにならず監督次第になるのです。1番打者になりたいからと言って長打を捨てて単打で出塁する選手を目指して練習しても監督がコツコツバッターは2番打者か9番打者が理想だと思えばそのように打順が組まれるのです。
例えば、高橋由伸選手(現巨人監督)はあなたが持っている既成概念だと3番、4番を打つようなバッターだと思っているはずです。誰もがクリーンアップを打たせると言うはずです。しかし数年前(詳しくは忘れましたが)1番バッターを打っていたことがあります。当時の監督は誰だったか忘れましたが、監督の考え方としては最も強打者を1番バッターに起用することが理想だったのかもしれません。
今で言うと楽天の2番打者ペゲーロ選手。2番打者と言うあなたが抱いている既成概念なんて吹っ飛ばしていますよね。ペゲーロ選手なんて完全にホームランバッターですよ。そんなバッターを2番で起用するなんて考えたことないですよね。ただ、今の監督やチーム事情からペゲーロは2番の方がいいと言うことで2番にしているのです。
こう言ったことを考えると選手は1番バッターを打ちたいとか4番バッターを打ちたいと思って練習するよりも自分が理想とするスイングを追い求めて練習をした方がいいのです。私のように、このチームで試合に出るにはどのような選手になればいいのかを考える必要もありません。なぜなら、私は野球が仕事でしたし試合に出れないとクビになる。と言うことは大好きな野球ができなくなるから考えただけです。
子どもたちには野球ができなくなる。クビになると言うことはないのですから自分の好きなように気持ちよくスイングできる選手を目指してください。その結果、何番打者になろうとも自分のスイングをするだけなのです。1番打者になったからと言って長打を捨ててコツコツ当てるバッターにならなくてもいいのです。とにかく自分のスイング、気持ちよく振れるスイングを何番バッターになってもしてください。
だから監督や指導者のあなたも1番バッターだからゴロを転がせとか長打を捨てて単打を狙えなんて言う選手をダメにするアドバイスはやめてください。そしてあなたが持っている既成概念も忘れてください。小学生に打順なんて関係ないのですから1番バッターから9番バッターまでフルスイングをさせてください。チームバッティングなんていうのは必要ありませんよ。だって野球が楽しくなくなりますもん。
私たちが野球を始めたころのルールもあまり分からずとにかくボールを誰が一番遠くに飛ばせるか!誰が一番速い球を投げるか!無邪気に白球を追いかけていた子どもの頃の楽しさを今の子どもたちにも教えてあげてください。それが私たち子どもと野球に携わっている大人の役目です。
それでは、今回は以上にします。
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この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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