【私がおかしい?】他人の子の活躍を祝えない夜のスクロール

布団の中で、スマホを開いてた。

子どもの試合、来週なのに。

タイムラインに、流れてきた。

他の子の、金メダルの写真。

おめでとう、って。

打った。

送信した。

 

思わなかったわけじゃ、なかった

 

電気、消してた。

子どもはもう寝てた。

 

スマホの光だけが、あって。

指が、止まった。

止まったけど、

開いてしまった。

動画が、始まった。

3秒で、止めた。

なんで止めたのかは、

分からなかった。

でも止めた。

 

画面を、裏返した。

裏返してから、また、表にした。

それを、何回かやった。

 

おめでとうを、練習してた頃のことを

ふと、浮かんだ。

社会人野球をやってた頃のこと。

勝った試合の夜。

ベンチに入れなかった夜。

 

仲間が笑ってて、

自分はスパイクを脱ぎながら、

「おめでとう」を、練習してた。

声に出す前に、

表情の作り方から、練習してた。

 

おかしいと思ったことは、なかった。

おかしいって言葉を、

使わなかっただけかもしれないけど。

正しい顔だけが、

体に残っていった。

 

暗い部屋で、

ブルーライトに照らされた自分の顔を、

見てた。

 

醜い、という言葉を、

使っていいのかどうか、

分からないまま、

見てた。

 

おめでとう、って打った指が、

まだ、画面の上にあった。

ブロックの位置まで、動いてた。

そこまで動いて、

止まった。

止まったことを、

どう扱えばいいのか、

分からなかった。

 

タイムラインの途中で

目の奥が、痛かった。

ずっと光を見てたから、

だと思う。

思うけど、

それだけじゃないのかもしれない、

という感じも、あった。

 

喉のあたりに、

何かが詰まってる感じがずっとあって、

ため息をついたら、

少し動いた気がした。

でも、なくなりはしなかった。

 

スクロールしてた。

下に、下に、

スクロールしてた。

見たくないものが、流れてくるのに、

止めなかった。

また始まった、と思いながら、

止めなかった。

 

見なきゃいいのに、という言葉が、

頭の中にあった。

頭の中にあったまま、

見続けてた。

 

なんで私はこうなんだ、

という言葉も、出てきた。

出てきたけど、

答えようとしなかった。

答えが出ないことは、

分かってたから。

出てきた言葉を、

そのまま、置いといた。

 

夜が終わらない、のではなく

夜が、終わらない感じがあった。

明けない感じじゃなくて、

終わらない感じ。

続いていく感じ。

暗い部屋に、

ずっとこのまま、いる感じ。

 

子どもの寝息が、聞こえてた。

聞こえながら、

関係なかった。

今この瞬間、関係なかった。

それが、いいのか悪いのかも、

分からないまま、

スクロールしてた。

 

終わってないまま、置いてるだけ。

 

祝うフリをしながら、

自分の顔を見てた。

それだけのことが、

なんか、あった。

 

画面を、閉じた。

閉じて、

天井を見た。

暗かった。

それだけだった。

 

終わらないままの感覚を、

整理せずに、

そのまま置いている場所が、

今も、残っています。

 

 

 


この記事を書いたのはこんな人 


沖増 茂伸(おきます しげのぶ)

元社会人野球選手。
今も、応援席の端にいます。

言葉が出てこなくなる時間や、
判断が止まったまま座っている背中を、
何度も見てきました。

このブログでは、
正解も、意味も、まとめも置いていません。

読んで、閉じて、
そのまま残っても、
何も起きなくても大丈夫な場所です。

 


■ 親子で輝く!スポーツから学ぶ人生変革メッセージ


あの夜の余韻が、まだ胸に残っているなら。日々の投稿が、判断で固くなった呼吸をふっと戻す、小さなお守りになります。

「頑張らなきゃ」で固まった心を、そっと緩める。1人で戦うママへ届ける、お守りのようなメッセージ。

▶︎ あなたの心が深呼吸する場所はこちら

 

試合が終わったあと、子どもに何を言えばよかったのか、あとから分からなくなる夜があります。

怒りすぎたわけでも、放っておいたわけでもないのに、なぜか胸の奥だけ残る感じ。そのままにしている言葉や感覚を、まとめず、整えず、文字で置いている場所があります。

LINEでは、「自分を許すため」でも「前向きになるため」でもない、ただそのまま置くためのシートを残しています。受け取ってもいいし、読まずに閉じても大丈夫なものです。

▼ LINEでシートを受け取り、心を整える

 

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