こんにちは。
野球カウンセラーの沖増です。
先日のラジオ配信で話した内容を
ブログに書きました。
「野球を通じて何を学ぶことができるのか」
高校野球の練習と聞いて
どんなイメージが思い浮かぶでしょうか?
真っ白の帽子に
ユニフォームで坊主頭。
ランニングの時は
全員で足をそろえて走る。
練習中は近所迷惑なぐらいに
大きな声を出す。
朝早くから夜遅くまで練習。
グラウンド内は常にダッシュ。
こんな光景、
野球部以外にもあるのでしょうか?
私が知っている限りでは
野球部以外では聞いたことも
見たこともありません。
当時はそれが当たり前だと
思っていましたが、
今考えると
とても不思議な光景です。
周りからは軍隊のようだ
と言われていました。
実際に私が高校球児だったころ
強化合宿である陸上自衛隊に
2週間ぐらい合宿を行っていました。
陸上自衛隊の訓練と言ったら
とても厳しいイメージがありますが、
高校球児の私たちには
いつもの練習と変わらないのです。
朝早くに起床の合図がなり、
一瞬でグラウンドに集合し整列。
大きな声で点呼を取り
声小さければやり直し。
点呼が終われば隊長からの話を
直立不動で聞いて
その後訓練が開始されます。
自衛隊の皆さんも
ランニングをするときは足をそろえて
大きな掛け声を出しながら走ります。
訓練中も常に
大きな声を出しながらやっています。
本当に当時の私たちの練習と
自衛隊の練習は変わらなかったのです。
野球部は【軍隊】だと
言われていましたが、
まさに当時はそうだったのです。
今でもそのような練習を
しているチームもあるかもしれません。
野球ってこんなスポーツなんでしょうか?
野球が生まれたアメリカでも
こんな練習をしているのでしょうか?
私はしていないと思います。
なぜ日本の野球だけ厳しい
イメージを持ってしまったのでしょうか?
いろいろ調べていくと、
おそらく戦時中の日本軍に
関係しているのではないでしょうか。
いわゆる精神論や根性論と言った
「武士道」と言われるものです。
この武士道精神を基に
強い軍隊、強い兵隊を作るためには
「精神の鍛練」
「絶対服従」
「練習量の重視」
この3つの要素が
必要とされていました。
こうした
「精神の鍛練」
「絶対服従」
「練習量の重視」は
軍隊に徹底的に
叩き込まれてきた。
徹底的に叩き込まれてきた
軍隊が兵隊を離れ野球選手として、
あるいは指導者として
野球を教えてきたので
強いチームや強い選手になるには
「武士道精神」=「精神の鍛練」
「絶対服従」「練習量の重視」が
必要だと叩き込まれ、
これが受け継がれて
野球=厳しいと言うイメージが
あるのだと思います。
こうして生まれた日本独自の
野球スタイルは武士道精神として
私たちに受け継がれてきました。
武士道精神の考えを
取り入れたことでプラスな面も
もちろんあります。
挨拶をしっかりする、
道具を大切にする、
野球に対しての真摯な態度、
基本を徹底的に繰り返す、
仲間意識、団結力、・・・
こう言ったことは今の私には
とてもプラスになっているし
社会人としてすごく役に立っています。
今でも先輩には敬意を払えますし、
誰に対しても挨拶はしっかりできます。
基本を忠実に徹底して
できるようになるまで繰り返し、
ちょっとしたことでは
負けない精神力、
逃げ出さない精神力は
野球をやっていなかったら
身に付けることは
絶対になかったと思います。
今でも仕事やプライベートなことで
辛いことや苦しいことがあるが、
野球をやっていた時にくらべたら
全然大したことがありません。
私から見たら、
なんでそんなことで
苦しんでいるのだろう
と思うことがよくあります。
苦しくてすぐに
逃げてしまう人もいる。
もう少し頑張れば上手くいくのに
その手前で逃げ出してしまう。
苦しくても頑張れば上手くいく
ということを野球で学んでいるから
分かること。
こうしたことは
野球をやってきて本当に
良かったことだと思えます。
しかし、
マイナスの面もいっぱいあった。
朝早くから夜遅くまで続く猛練習で
怪我をしてしまいそれが原因で
野球ができなくなった選手もいます。
少しぐらい足が痛くても
「我慢」「気合」「根性」
で乗り切ってしまうからです。
それに監督に「痛い」と
言った日にはそれ以降
試合で使ってもらえなくなる。
だからこそ我慢して
痛くないふりをする。
そうすると野球を続けられない
身体になってしまう。
さらには、監督や先輩には
絶対服従の上下関係が存在したため、
体罰が当たり前になる。
グラウンドでは下級生は
「はい」としか言えない。
当然、監督、先輩に
声をかけることもできない。
どんなに間違ったことを言われても
「はい」となり体罰が与えられる。
監督や先輩の言われたとおりに
プレーできなければ練習から外されるか
体罰です。
人から言われたことしか
できなくなるので、
自分で考えて行動する
習慣が身に付かないのです。
監督がこの場面では「こうする」と
言ったらそれが当たり前。
先輩がこう言ったら
言われたことをするのが当たり前。
だから試合でも自分で考えずに
「こう言われたからこうしよう」
「次はこうしなければ」
「監督がこう言ったからこうしよう」
と考えて野球をすることができなくなる。
今の子どもたちの野球も
その名残は確実に存在しています
監督や指導者が「こうしろ」
「この場面ではこうしろ」と
なぜ、それが必要なのかわからず
野球をやっている。
子どもたちの野球なのに
監督や指導者のための野球に
なってしまっている。
また、先ほどの話と矛盾しますが、
苦しいことから
逃げることができないから
余計に苦しくなります。
誰かに助けを求めたくても、
「こんなことで」とか
「助けを求めることは恥」
と考えてしまい、
一人で抱え込んでしまいます。
小さなプライドや、頑固になり
他人からの意見も聞けなくなります。
気合、根性があるせいで
自分自身を傷つけ、
自己肯定感を下げてしまい、
自分自身を
見失ってしまうのです。
これからの時代は
「武士道精神」ではなく
「今の時代にあった」
スポーツマンシップが
必要になってきます。
では、これからは
どのようにすればいいのか?
ここから元プロ野球選手の
桑田真澄さんの言葉を
借りたいと思います。
桑田さんの本の中に
「武士道精神」から
「スポーツマンシップ」へ
「精神の鍛練」から
「心の調和」へ
「絶対服従」から
「尊重」へ
「練習量の重視」から
「練習の質の重視」へ
変えることがとても重要になる。
野球を通じて輩出すべきなのは
「強い兵隊」ではなく
「社会で活躍できる人材」。
と書いてありました。
私はこの言葉に
納得してしまいました。
時代が変われば
考え方や価値観も
変わってきます。
今の時代に
「兵隊」は必要ありません。
これからは
社会で活躍できる人材を育てるために
「心の調和」「尊重」「練習の質の重視」。
これがとても重要になります。
私の経験と
今の私が考える
社会で活躍できる人材を育てるための
7つの心得 があります。
①正しい野球のルールを学ぶ
②礼で始まり礼で終わる
③集合時間の厳守
④日々精進し、安定を求めず進化し続ける
⑤失敗を見つめ次に生かす
⑥不平不満を言わず不平不満を聞かない
⑦継続
これが私の考える
社会で活躍できる人材を育てる
7つの心得です。
詳しくは次回、
一つずつ解説していきたいと思います。
いつも私は言いますが、
中学、高校まで野球をやっていたが
勉強をしていない。
野球をやったことはないが
本で読んだり聞いたりした。
私の時代はこうだった
などと言う過去の経験を信じ
無茶苦茶な指導や、練習量、
練習内容を教える監督・指導者たち。
昔はそういう方法で
野球を教わったのかもしれません。
実際私もそういう方法で
野球を教わってきました。
しかし
今はそんな時代ではないし、
私自身も今の時代に、
私が教わったことを
伝えようとは思わないです。
そのことに早く
気づいて欲しいのです。
私は勝つための戦術や
配球論を教えるつもりはありません。
私が伝えたいのは
野球を好きで始めて、
やがて野球が大好きになり、
どうしたらもっと楽しく
野球ができるか、
どうしたら野球を
長く続けられるか、
そして野球を通じて
社会に出て楽しく生きるために
必要なことを
学んでもらいたいのです。
あなたが
野球人生、自分の人生を
より豊かに歩んでいく
そのためのお手伝いが
できればと思います。
私も毎日、
自分の野球理論に磨きをかけるために
研究と練習しています。
そして
自分の人生と向き合い、見つめなおし
勉強と実践をしていますので参考として
私のYouTubeやTwitterなどを
見ていただけたらと思います。
それでは、今回は以上にします。
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