こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増です。今回は「マスコットバットでの素振りはおススメしない理由」についてお話ししていきます。
いよいよプロ野球もキャンプインが近づき野球ファンにとっては楽しみな時期が始まります。注目の選手や新人選手のキャンプ情報が楽しみになります。私も小学生、中学生の時にはプロ野球のキャンプインがとても楽しみにしていました。今はキャンプ情報は普段のニュースでも取り上げられますし特番でキャンプ情報を放送する番組も増えてきました。
私が幼いころはキャンプ情報と言えばプロ野球ニュースしかなっかた気がします。あったらごめんなさい。しかもプロ野球ニュースが始まる時間が夜遅くにありました。眠い目をこすりながらプロ野球ニュースが始まるのを見ていました。ノートを持ちプロ野球選手がキャンプでどんな練習をしているのか勉強をしたくて「こんな練習をしている」と気づけばすぐにノートに書きました。
書いたノートを参考に見よう見まねで練習を真似していたのを覚えています。野球をやっている子どもたちなら私と同じような気持ちでキャンプ情報を見ていると思います。私がキャンプ情報を見ながら「これができるからプロ野球選手なんだ」と思っていたことが二つあります。バッティングに関しての話です。
1つ目はマスコットバットを簡単に振ってしまうこと。しかも普通のバットと同じようなスイングをしていたこと。
2つ目はそのマスコットバットでフリーバッティングを行い軽く振ってスタンドインさせること。しかもイメージですがポーンと振ってスタンドイン。
毎回この二つには驚かされました。どうやってあんなに軽く振って遠くに飛ばせるんだろうと思っていました。見ていた当時は小学生、中学生だったので「今の俺には無理だけどいつかは軽く振ってスタンドインしたい」と思っていました。
それからいかにマスコットバットを振れるか!軽く振って遠くに飛ばすためにはどうすればいいか考えていました。当時は野球の理論を教えてくれる人もいなかったためプロ野球選手がやっていることを真似してマスコットバットを振り続けました。
プロ野球選手がやっていることを真似することは良かったのですが理論も分かりませんしどうやって練習をしていいのかわからずひたすらマスコットバットを振り続けていました。「これができれば俺もプロ野球選手になれる!」そう思いながら黙々と振っていました。なのでとにかく数を振ろうと納得するまで振っていました。
母親から「ご飯できたよー」と言われても「もう少し待って」と言い振り続け母親から「いい加減にしなさい!」と言われてやっと素振りをやめて夕飯を食べに行きました。
ここ場での話を聞いたらすごい努力をしている。ここまで練習するから上手くなるんだ。と思われた人も多いことでしょう。自分の子どももここまで練習してくれたら・・・と思う人もいるでしょう。
しかし、社会人野球を経験しいろいろな練習方法や理論を学んで今思うことは、あのマスコットバットでガンガン振っていた時期が私の悪い癖が出来上がった時期だったんだなと思っています。
私は社会人野球選手になるまではバッティングは下半身で打つと言う感覚が分かりませんでした。常に上半身に頼った打ち方をしていました。バットをしなって出すとか、グリップから出すようなスイングは本来は下半身がしっかり使えれば自然とできるはずなのに上半身を使ってしなりを作ろうとかグリップから出そうとしていたのです。
なので下半身を使ったバッティングを得るのに時間がかかりました。最初のころは下半身で打つと言うことが理解できなくて相当悩みました。なぜ、私が上半身に頼った打ち方になったのかと言うと先ほども書いたようにプロ野球選手がやっていることを真似してマスコットバットで素振りをしていたからです。
本来、マスコットバットを使う目的は下半身を使って打てているかを確認するために使います。決してスイングスピードを速くする目的とか、振る力を作るためではありません。下半身を使ってバッティングできる選手は良いですが下半身を上手く使えていない選手がマスコットバットを振るとどうなるか。経験している人は分かると思いますが重く感じますよね。
人間、重いと感じたらどうするか?腕で振ろうとします。最初の数回は腕を使ってスイングができます。しかし、腕が疲れてきたらしっかり振れなくなります。しっかり振れなくなったら今度はどう考えるか?
私も経験しましたがしっかり振れなくなったら振る力が無いと思いさらに振ろうとします。「今日は10回しかスイングできなかったけど15回スイングできるように」と思いながら振るのでどんどん上半身、腕に頼ったスイングになるのです。
特に私はストイックでしたし野球に関してはドМなので腕が疲れて振れなくなってそれでも振ることに快感を覚えていました。こうなるとスイングどころの話ではなくなってきます。がむしゃらに振り続けることで悪いフォームが身に付きさらに悪いフォームに磨きをかけていくので修正しようにも相当な時間がかかります。
今の子どもたちを見ているとそれが伝わってきます。最近はSNSなどで子どもたちの練習風景を見る機会が多くなっています。子どもたちの練習を見ていると本当に私の少年時代と同じです。子どもたちの気持ちも分かります。野球が大好きだから毎日バットを振りたい。上手くなりたいから人よりたくさんバットを振りたい。そう思う気持ちは経験している人しか分かりません。
しかし、その思いが強くて間違ったことをやり続けると取り返しのつかないフォームになってしまうのです。練習風景を見ながら「あーあ」と思います。「これじゃ上半身で打つことしかできなくなる」とか「めちゃくちドアースイング」「今すぐやめた方がいい」と思ってしまうのです。
身近に野球の理論を教えてくれる人がいないと言う問題もあります。たとえ身近に教えてくれる人がいても理論とは真逆の教え方をしている人もいます。それが正しいと思い込んで練習をしているので努力しているのにどんどん打てなくなっていくのです。打てる選手になりたいのであれば重いマスコットバットで振り続けることをやめてください。
以前の記事にも書きましたがマスコットバットで振るのではなくノックバットのような軽いバットで素振りをするか竹竿のように長いものを振るようにしてください。一番いいのはグラウンド整備で使うトンボを振るといいです。小学生や中学生には重すぎるかもしれませんので物干しざおがいいと思います。
長いものを振ろうとしたときに腕の力だけでは振れません。とくにグラウンド整備で使うトンボで振った場合、重すぎてグラウンドに当たり振ることができません。
長いものを振ろうとしたら下半身を上手く使って上半身に連動させることでうまく振れるのです。さらに長いものを振ることによって身体全体を使ってスイングができるので体幹も強化されます。
長いものを上手く振れるようになることで自然と体重移動も身に付きますしフォロースルーもできるようになるのです。長いものを振るには相当ハードなものになりますので何百と振る必要はありません。本当に数回から数十回するだけでいのです。
がむしゃらに練習することは良いことなのですが間違った練習をし続けると癖を修正するのに時間がかかります。今回はマスコットバットで素振りについてお話ししましたが、私のように上半身に頼ったスイングにはなって欲しくないので効率よく練習をしたいと思うのであれば長いものを振る練習に今すぐ変えてください。
それでは、今回は以上にします。
どのような素振りをすればいいのか分からないとお悩みの方【先着10名限定】で無料で個別相談させていただきます。野球に対するお悩み、子どもの上達でお悩みの方は是非、お問い合わせください。
この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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