負けず嫌いが向上心を強くするについて

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こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増です。今回は「負けず嫌いが向上心を強くするについて」についてお話ししていきます。

負けず嫌いが向上心を強くさせることは言うまでもありません。負けず嫌いの性格の人は達成したい目標をしっかり持っていてそれについては誰にも負けたくないから努力する。私で言うと、プロ野球選手を夢見ていたころの自分は野球に関しては誰にも負けたくなかったです。上手い下手にかかわらず野球が好きという情熱は誰にも負けたくなかったです。

 

誰にも負けたくないから誰にも負けないぐらい練習してきましたし勉強もしてきました。誰かから褒められることを期待するわけでもなく、とにかく自分に負けたくなかったのです。なぜ、このような負けず嫌いになったのかはわかりませんが特に小学生や中学生の頃は特に負けず嫌いが強く出てきていました。

 

今考えると周りの同級生に対しての劣等感から負けず嫌いが強くなったのかもしれません。専門学校、社会人時代には負けず嫌いが出てこなくなりました。出てこなくなった代わりに「焦り」が出てきました。専門学生時代は社会人チームが出る大会にでて試合をしていましたし都市対抗予選大会も専門学生ですが予選に出て試合をしていたのです。

 

当時は初めてのレベルの高さで試合をやっていたので「やばい!」「これじゃ勝てない」と言う「このままじゃいけない」と言う焦りのような気持ちが向上心を高めてくれていました。それから社会人野球選手になった私は焦りが一気に増してきました。自分が昔、敵わないと思っていた社会人選手の中で練習をしているのです。「レベル高すぎる!」と思いました。

 

同期入団の選手も大学野球出身でバリバリのレギュラーでしたし私と同じ年の選手もチームにいましたが私より先に社会人野球選手になっているので体力も技術も先を行かれています。そんなレベルの高い場所にいるのですから「野球に関しては誰にも負けない」と言う負けず嫌いの気持ちは一瞬で吹っ飛び正直「やっていけるのかな?」「このままじゃすぐにクビになってしまう」と言う気持ちの方が強くなってきました。

 

結果的に「このままではクビになる」と言う気持ちが自分の向上心を高めてくれたおかげで慢心することなく常に上を目指して練習することができたのです。よく「負けず嫌いになれ」とか「誰にも負けないようにしろ」などと言われますが確かに間違いではないと思いますが人によっては「負けず嫌い」のポイントが違ってくると思うのです。

 

そしてこのポイントも時期によって大きく変わってくると思うのです。私が小学生、中学生のころは「野球に関して」負けず嫌いでしたが社会人野球選手になってからは「相手に負けない」ではなく「このままでは」になっていったのです。

 

いわゆる恐怖に対して努力をしていったのです。

 

社会人選手時代によくコーチから「○○に負けるな」と何度も言われてきましたが正直モチベーションも上がりませんしその選手に対して対抗心も持っていませんでした。逆にモチベーションと言うか、「練習するぞー」と思わせた言葉が「お前このままだとクビだぞ」の一言です。先輩やコーチは冗談で言っているのかもしれませんが、私には非常に響きましたし、今すぐに行動できた言葉でした。

 

大会や試合で結果が出せなかった選手や試合に出れなかった選手は常に「クビ」と言う文字が浮かんでくるので悩んだり落ち込んだりしている暇などなくいつも練習してクビにならないように技術を磨いていたのです。

 

このような話を小学生や中学生にしても逆に恐怖を与えすぎてノビノビと野球をすることができなくなるので絶対にお勧めはしません。しかも負けず嫌いの標的を「人」に向けて欲しくないのです。「○○に負けたくない」と言う気持ちを強く持ちすぎると上手くコントロールできなくなり対人関係を悪くする可能性があるからです。

 

私が勝利至上主義を嫌うのもこういうところにあります。勝つために手段を選ばなくなりますし相手をリスペクトしなくなります。

 

社会人選手時代にも経験がありますが都市対抗予選で負けたら終わりと言う試合では両チームとも試合前から殺気立っています。絶対に勝つを合言葉に試合に入っていくので時にはラフプレーがあります。そうなると社会人野球でも乱闘になります。

 

勝つ気持ちが強すぎてその気持ちが勝手にラフプレーにさせるのです。そうなると試合も面白くなくなり後味の悪い試合になります。私も実際にそういう試合に何度かなったことがありますがやっていても面白くなくなってきます。

 

もし、私が社会人野球選手になっても負けず嫌いの相手を自分にではなく「誰か」にしていたら私も同じようなことをやっていたかもしれません。幸いなことに私は負けず嫌いの相手を自分に持っていたので故意で当てられたデットボールも激しいクロスプレーにも怒りの矛先が相手に行くことはなかったです。

 

すべては自分にあったので「今のはよけ方が悪かったな」とか「悔しかったらプレーで返そう」と思っていたのです。なので指導者やお父さん、お母さんも子どものモチベーションを上げようと「○○に負けるな」と言うアドバイスはおススメしません。「負けるな」と言う言葉が子どもには負担過ぎて精神的に追い込んでしまいます。

 

どういう言葉をかけてあげればいいのか?

 

やっぱり子どもは褒められると嬉しいものです。大人になった私でも褒められたら嬉しいですよ。特に大好きなお父さんやお母さんから褒められるのが一番モチベーションが上がります。私もそうです。大好きな人や尊敬する人や師匠から褒められたら嬉しくてさらにやる気になって精進をしますよ。

 

今の私のモチベーションはそういうところにあります。誰かを見返してやろう!とか、あいつには負けたくない!絶対に1番になってやろう!と言う気持ちはありません。褒められたいのです。その方が穏やかな気持ちでいられます。ガツガツしなくなります。

 

穏やかな気持ちを持った子どもたちが野球を続けていけば本当に楽しい野球、相手をリスペクトする野球ができるのです。たくさん大切な子どもを褒めてあげてください。

 

それでは、今回は以上にします。

 

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この記事を書いたのはこんな人


沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー

◆元社会人野球選手(現役10年)

◆都市対抗野球全国大会優勝

◆東海地区ベストナイン受賞

◆ベーブルース杯大会首位打者

◆東海地区春季大会首位打者

 

子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。

 

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