こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増茂伸です。今回は「試合で失敗したことを思い出して緊張してしまうのはなぜ?」というテーマでお話をしていきます。
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■過去の失敗を思い出して緊張する
打席に入る前に前の打席で三振をした記憶を思い出して「また三振したらどうしよう」と不安になったり、守っているときにエラーした記憶を思い出して「またエラーしたらどうしよう」と自信を無くしたりと、過去の失敗や嫌なことを繰り返し思い出して心配や不安な感情から抜け出せないこともあります。
「自信がない」「また失敗したらどうしよう」という心配や不安の感情のまま打席に入ったり守りに行くと同じように三振したりエラーをしてしまうことが多くあります。なぜ過去の失敗や嫌なことを大事な場面で思い出してしまうのでしょうか。そんな過去の失敗や嫌な記憶を思い出す癖を手放す方法についてお伝えしていきます。
過去の失敗や嫌なことを思い出して不安になったり嫌な感情になってしまう。これは私も何度も何度も経験してきました。「前の打席で打ち取られたからまた同じように打てなかったらどうしよう」とか「このピッチャーは打てないんだよな~」「この前の試合でエラーしたからまた同じようにエラーしないか心配だ」と過去の打てなかった記憶、エラーした記憶、上手くいかなかった記憶を思い出して不安や焦り、心配の感情になることが多くありました。
今でも草野球をやっていますがやっぱり同じように過去の失敗や嫌なことを思い出して不安や心配の感情を引きずることもあります。でも昔のように何日も引きずったりしなくなりましたし試合の前日や試合中も不安や心配、焦る感情も出てこなくなりました。例えそういった感情が出てきても引きずらず冷静になることができます。
ではなぜ過去の失敗や嫌なことを思い出さなくなったのか、また思い出しても引きずらなくなったのか、それは失敗したことや嫌なことを受け入れ許したからです。
■なぜ過去の失敗を思い出してしまうのか?
まず、なぜ人は過去の失敗や嫌なことを思い出してしまうのか。しかも何回も何回も失敗した記憶や嫌な記憶を思い出してしまうのかというと、それは出てきた感情を抑え込もうとしているからです。その感情を抑え込んでいるから「あなたは今、こういった感情を抑え込もうとしていますよ、この感情があることを無視しないでくださいね」というサインでもあるんです。
何度も何度も繰り返し過去の失敗や嫌なことを思い出してしまう人は自分の感情をムリヤリ抑え込もうとしたり感情を出すことを我慢してきた人に多いです。どういうことかと言うと私もそうでしたが昔の教育や価値観で「感情を出すな」と言われてきました。
特に怒りの感情や悲しみの感情、不安な焦りといったネガティブな感情は出すなと言われてきました。例えば試合でチャンスの時に打席に回ってきました。しかし結果は打てませんでした。当然、悔しいという感情になりますし自分のチームからバカにされたり「負けたのはお前が打てなかったからだ」なんて言われたら悔しい思いやイライラしたりネガティブな感情になります。
でも「感情を出すな」とか「怒りの感情やネガティブな感情は良くない」と言われているので早く忘れようとしたり、考え方をプラス思考に変えて気にしないようにしてしまいます。確かにそうやって早く忘れようとしたりプラス思考に変えることでネガティブな感情が薄れて行ったりして一時的に忘れることはできます。
ただ、そういった悔しい感情とかイライラの感情が完全に消えたわけではありません。ただ、心の奥にしまい込んでいるだけで忘れたわけでも、なくなったわけでもありません。このときの悔しい感情やイライラした感情、ネガティブな感情のエネルギーは心の中にまだ残っているわけです。
「過去の失敗や嫌なことを思い出してしまう」というのは「あなたの心の中にまだこんな感情が残っていますよ」というサインなんです。自分の感情をムリヤリ抑え込もうとしたり感情を出すことを我慢すればするほど心の中にその時の感情がドンドンと溜まっていきます。だから同じような場面、例えばチャンスで打席に回ってきたときに溜まっていた感情が思い出されてしまうんです。
つまり感情を抑え込もうとしていることが過去の失敗や嫌なことを思い出してしまう原因になっているわけです。過去の失敗や嫌なことを頻繁に思い出してしまう場合はそれだけその時の感情を抑え込もうとしている可能性があります。
■感情を抑え込もうとしない
じゃどうしたら過去の失敗や嫌なことを思い出さなくなるのかというと感情を抑え込もうとしないことです。失敗したり嫌なことがあると早く忘れようとしたり無理やりポジティブ思考にしようとします。私がそうでした。だけどそうやって早く忘れよとしたり、無理やりポジティブ思考にしようとするのは自分の感情を抑え込もうとしていることになります。そうやって自分の感情を抑え込もうとするとその感情が心の中に溜まっていきます。
もちろん、失敗したり嫌なことがあったときに考え方を変えたり見方を変えることも大事なんですが、その前にしておいた方がいいことがあります。それはそのときに感じた感情をまずはちゃんと認めて受け止めてあげることです。そのためには感情をちゃんと吐き出すことです。
感情をちゃんと吐き出せば心の中に残ることはありません。心に残らなければ感情が思い出されることもありません。ではどのように感情を吐き出せばいいのか。一番簡単なのは、そのときに感じたことを口に出したり、紙に書き出すことです。
■感情の吐き出し方
例えばチャンスで打てなかったら「くそ—」とか「腹が立つ!」とそのままの感情を口に出してみる。または相手に言いたかったことを言う。例えば「なんでそんな言い方をするんですか」とか「それは私には合わない」ということを口に出して言ってみる。そうすることで心の中にある感情のエネルギーが自分の中から出ていきます。
そうやって感情を自分の心の中にため込まないでちゃんと吐き出してあげるとあとでその感情が思い出してくることもなくなります。試合中に「くそ—」とか「腹が立つ!」と叫ぶことに抵抗がある人は紙に書くことをおススメします。試合中に感じたことはその場で書いた方が良いので試合中にノートなどにすぐに書いてください。
私は草野球の試合で腹が立ったりイライラするとすぐに態度に出すし言いたいことも言います。ただ、よく審判から注意をされますしチームに対する評価も下がりますので私はノートに書くようにしています。「悔しい」「腹が立つ」など感じたことを書きます。私はココでは言えないような言葉で書きます。素直な気持ちを書き出した方がそういった感情のエネルギーが自分の中から出ていきやすくなります。
もちろん一度書いただけではエネルギーを吐き出すこともできないことがあります。その場合は何度も何度も書き出しますし嫌な記憶を思い出すたびに書き出すようにしています。何度も何度も繰り返し感情を吐き出していくことでその感情のエネルギーは確実に減っていきますので、その分だけ思い出す頻度も少なくなっていくし、思い出した時のネガティブな感情も減っていくと思います。
■まとめ
というわけで今回は「試合で失敗したことを思い出して緊張してしまうのはなぜ?」というテーマでお話ししてきました。
打席に入る前や試合中に過去の失敗や嫌なことを思い出して緊張したり不安になったりするのはそのときに感じた感情を抑え込んでいるからです。無理やり自分の感情を抑え込もうとしたり無理やりポジティブ思考にしようとすると感情のエネルギーが吐き出せず、同じような場面になったときに繰り返し失敗した記憶や嫌なことを思い出してしまうのです。
そういうときは、そのときに感じた感情、今感じている感情を吐き出すことです。悔しいんだったら「悔しい」と認めて吐き出す。腹が立つなら「あいつに腹が立つ」と認めて吐き出す。緊張しているなら「緊張している」と認めて吐き出す。
そうすることで心の中に感情のエネルギーが溜まらなくなるので過去の失敗や嫌なことを思い出す頻度も減りますし例え思い出したとしてもネガティブな感情も減っていくと思いますのでそのときに感じた素直な感情を紙に書いて吐き出す習慣を身につけてみてください。
それでは、今回は以上にします。
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この記事を書いたのはこんな人
沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー
◆元社会人野球選手(現役10年)
◆都市対抗野球全国大会優勝
◆東海地区ベストナイン受賞
◆ベーブルース杯大会首位打者
◆東海地区春季大会首位打者
子どもの技術向上はもちろん、子どもの上達に悩むお父さん お母さんの悩みを解決しもっと楽に子どもと野球に向き合って欲しいという思いで情報配信しています。
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