【死んだように寝てるくせに】週末だけ動く後ろ姿に殺意が湧く
土曜の朝だけ、自分で氷を入れる。
水筒に。無言で。
それだけだ。
声に出したら消えた言葉が、ここにある。
リビング。静かすぎる。
外はもう昼過ぎだ。
朝、同級生たちの声が聞こえた。
二階は、ずっと静かだった。
カーテンも閉まったまま。
重い足音が聞こえた。
階段を、ゆっくり下りてくる。
胃の奥が、ぐっと沈んだ。
起きてきて、カバンの中を確認していた。
週末のスポーツの。
準備だけ。それだけ。
朝は動かなかった。
その時間、一人でリビングにいた。
外から声が聞こえるたびに、奥歯を噛んでいた。
気づいていなかった。
当番の日、他のお母さんたちが話していた。
輪の外側に立って、顔の筋肉を引き上げていた。
スーパーのレジで、同じクラスのお母さんと目が合いそうになった。
下を向いた。
下を、向いた。
「スポーツは頑張ってるよね」
笑顔で言われた。
あの目、腫れ物に触る目だ。
当たり前にランドセルを背負って、当たり前に走って、当たり前に笑っているあの子を見た。
足首を、と思った。
一瞬、本気で。
カゴの中のスポーツ飲料が、やけに重かった。
私が甘やかしたからだって、みんな思っている気がする。
ずっと。
続く。
明日もユニフォームを洗う。
泥が乾いてから叩いて、それから洗う。
お弁当はまた早起きだ。
それだけが、来る。
乾いた泥を叩きながら飲み込んだ言葉。
プロフィールの奥に、捨て場所を置いてあります。
誰も見ません。

沖増 茂伸(おきます しげのぶ)
元社会人野球選手。今も、応援席の端にいます。
言葉が出てこなくなる時間や、
判断が止まったまま座っている背中を、何度も見てきました。
このブログには、正解も、意味も、まとめも置いていません。
読んで、閉じて、そのまま残っても、何も起きなくても大丈夫な場所です。
誰にも言えない言葉があるなら。
この先は、誰も見ていない、ただのLINEです。
正解を探す場所でも、何かを変える場所でもありません。
ただ、やり場のない言葉を、そのまま置いていって構いません。
一人で抱えることに疲れたら。
何も解決しないけれど、ただ口に出して、
飲み込んできた言葉をそのままテーブルに置く時間が、ここにあります。
