<間違いだらけの野球教室>プロ野球選手になることががすべてについて
子どもたちに「将来は何になりたい?」と聞くとほとんどの子どもたちは「プロ野球選手」と答えるだろう。
それはそれで「夢」を持ち続けプロ野球選手になることを目標に日々努力し続けることはとてもいいことです。
「夢」を叶えるために何をしなければいけないのか?自分には何が必要なのか?と言ったことが学べるので是非とも「夢」を叶えるためにどうすればいいのかしっかり考えてもらいたい。
私も小学生のころからプロ野球選手になることだけを夢見て野球を続けてきた。自分に何が足りないのか考えとにかく野球の練習に時間を当てた。
身体が小さかった私は身体を大きくしようと中学生のころから筋力トレーニングを取り入れた。完全な独学ではあるが自分で調べ(当時はインターネットなんて言うものはなかったから本でしか調べられなかった)
それから筋力トレーニング後は栄養が大切と言うことが分かり栄養学についても勉強しプロテインを飲み始めた。
当時のプロテインは今のように味もついてなく溶けにくいプロテインばかりで本当に不味かった・・・今ではいろいろな味もありおいしく飲めるものばかりですが、本当に不味くて飲みたくなかったです。が、これを飲まないとプロになれないと自分に言い聞かせ我慢して飲んでいました。
中学生の野球仲間と集まってそれぞれ何が足りないか言い合い、それぞれが足りないところをみんなで練習して補っていました。体力や下半身が弱いとなればみんなで夜遅くに集まって峠をランニングしたりしました。
本当にすべてを野球に捧げていました。プロ野球選手になるためなので苦しいとか強制的なものは一切ありませんでした。周りのみんなが「プロ野球選手になりた」と言う夢があったので協力し合いできたことです。
ここからが大切なことなのですが、私や私のチームメイト数名はプロ野球選手になるのが夢でしたからみんなで集まって練習をしていましたし、お互いに厳しく言い合うこともありました。
ではプロ野球選手になることが夢ではない他の選手やあるいは上手くはなりたいけどみんなで集まって練習するまではしたくない。という選手も数人いました。今のチームにもそのような選手はいるはずです。
当時の私は自分がやっていること、考えていることが当たり前と思っていました。「野球やっている以上、プロ野球選手になるのが当たり前」「勝つことが当たりまえ」「みんなで一緒に練習するのが当たり前」と思っていました。
なのでプロ野球選手になろうと思わない選手や勝つことにこだわらない選手、上手くなろうと思わない選手に対して自分の価値観を押し付けていました。当然、他の選手も「みんなで練習しよう」それが当たり前だと言い価値観を押し付けていました。
その結果、喧嘩して野球部を辞めた選手、仲が悪くなった選手が出てきてチームはバラバラになってしまったのです。
当時はそれが当たり前で、自分の価値観を押し付けて何が悪いんだ!と言う気持ちでした。
今、野球やっている子どもたちの中にもこのような選手がいると思います。子どもの世界だけでなく大人の世界でも価値観が違う人は必ずいます。
仕事に対する価値観、野球に対する価値観、もっと言うとお茶当番や鍵当番、見守り当番や配車当番などそう言った価値観の違いでよくトラブルになっていませんか?
こんなトラブルの話今も昔も絶えません。なぜ絶えないのでしょうか?答えはたくさんありますがその中の一つに自分の価値観を無理やり押し付けるからではないでしょうか?
自分と他人(選手や親同士)は協力関係にあるがあくまで育った環境も生活リズムも違うのです。それぞれの人が持つ性格や価値観をなるべく尊重し合い自分の理念や価値観を押し付け合うなど極力避けるべきだと思う。そうした上でみんなに共通する目的は何かと考えるなら「野球が好き」「野球をやらせてあげたい」と言うことなのである。
「プロ野球選手になることがすべて」「勝つことがすべて」などと押し付け合うこと名でせず「純粋に好きな野球をやっている」ことに目を向けそれができる環境にしてあげるのが指導者やお父さん、お母さんの役目ではないだろうか。