野球部出身は社会に出ても仕事ができる?

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こんにちは。野球専門カウンセラーの沖増です。今回は「野球部出身は社会に出ても仕事ができる?」についてお話ししていきます。

■野球部出身は社会で活躍できる?

 

野球部出身だと社会に出ても気に入られると言います。気に入られる理由は明るいバカだからです。私自身も先輩にはとても可愛がってもらってます。私が可愛がられるのは明るくて馬鹿ができるからなのです。

 

体育会系が全員がそうではありませんが私は仕事でもプライベートでもとにかく前向きです。周りから飽きられるぐらい前向きです。仕事で上手くいかない時でもなんとかなる!と常に思い続けています。少々辛いことやきついことでも野球部のあの苦しい練習に比べたら大したことはありません。人間関係に至っては厳しい上下関係を経験しているのでどんなにきついことを言われようとも怒られようとも微動だにしません。

 

こんなことができるのは苦しい練習に耐え、厳しい上下関係を経験したからできることなのです。そう考えるとやっぱり野球部出身は気に入られるし社会人になってもその経験が活かされて仕事ができる人間になるんだ!と思う人も多くいると思います。

 

子どもに野球をやらせているお父さん、お母さんの中にもこう言った考え方の人もいるでしょうし指導者の中にも厳しくした方が子どもの将来のために良い!と思っているのではないでしょうか?

 

ハッキリ言いますが、野球部出身だからと言って気に入られるとか仕事ができるようになることは全くありません。特にこれからの時代を背負っていく子どもたちの時代には全くと言っていいほど野球部の教えは活かされません。このように言うと「えっ!」と思うでしょうが事実ですし何より私自身が経験していることなのです。今まさにこのことを痛烈に感じています。

 

では、なぜこのようなことが言えるのかお話しします。私が野球部現役を引退して一般に社会で働くようになった時は体育会系出身、野球部出身と言うだけでどこでも受け入れてくれる環境が多くありました。

 

野球部出身なので年上の方と食事に行ったり飲みの場に行くような時でも率先して動いたり気を使うことができます。さらにお酒の場ではその場を盛り上げようと先輩方の喜ぶようなバカをすることができます。ひと昔前の話なので今、そんなことをすると大変な騒ぎになるようなこと、もしかしたら警察のお世話になるようなことをしていたのかもしれません。(法に触れるようなことはいっさいしていませんのでご安心を)

 

呑みに誘われたら断ることはしませんし先輩から帰ると言われるまでひたすら飲んでいました。二日酔いになりながら次の日に出勤していました。そう言ったことが許されていた時代だったのです。今はどうでしょうか?そんなことをやっていたら世間から叩かれてしまいます。こう言ったことが私は良かったとは言いません。

 

■野球経験が活かされない理由

 

何が言いたいかと言うと時代が変わってきていることを知って欲しいのです。その中で私が野球部出身の人が野球部部在籍時代で学んだこと、経験したことが活かされない理由をお伝えします。理由はたくさんありますが全部書くと明日になっても書ききれなくなりますので、私が最も実感したこと、子どもに関わっている指導者、お父さん、お母さんには是非、お伝えしたいことを書きます。

 

まず、なんと言っても「あいさつ」です。「えっ!挨拶が社会に出ても使えないの?」と思うでしょう。ハッキリ言いますが活かされませんしこれからの時代は一切使えないと言えるでしょう。挨拶と言えば野球部は元気があって気持ちいがいい挨拶をすると思われがちです。実際に私も大きな声で挨拶することにしていますし「やっぱり野球部出身だね」とよく言われます。

 

しかし、この挨拶の仕方に問題があるのです。大きな声で「おはようございます」「こんにちは」ちゃんと言えていますか?指導者の皆さん、お父さん、お母さん、今一度しっかり確認してください。どういう事?と思うでしょう。

 

■野球部の常識は他では非常識

 

挨拶することは野球部のみならず体育会系はできると思いがちです。だって野球部で何年も厳しく言われたのですからできるに決まっているじゃないですか!と思っているのです。そんな体育会系出身の挨拶は「おざーす」「こんちわー」「あざーず」などと言った言葉が多いのです。

 

こう言った言葉が通用するのは野球部だけなのです。野球部以外でこう言った挨拶をすると「野球部なのに挨拶ができない奴」と言われるのです。私はこれも時代とともに変わっていくことを実感しています。私が野球部現役を引退し普通に社会人として仕事をしていた時は「おざーす」とか「ありがとっす」でも元気に言えば許されていました。先輩に対しても「いいじゃないっすか」とか「ういっす」でも許されていました。

 

しかし、今の時代やこれからは全体に許されないのです。許されないどころか周りから認めてもらえなくなります。「野球部はしっかり挨拶ができる」と思われているので少しでも変な挨拶や言葉を使うと評価はものすごく下がります。野球部の中でだけ使う挨拶、言葉遣い、行動と言うのは野球を経験していない人、体育会系出身でない人から見たら非常識なことが多くあるのです。野球部にいればそれが常識だと思ったら大間違いなのです。

 

■正しい日本語を使う

 

だから「子どもに挨拶をしっかりしなさい」と教えることはとてもいいことなのですが「正しい日本語」で挨拶できるように教えてあげてください。ここまで言うと分かると思いますがまずは指導者、お父さん、お母さんがしっかり「正しい日本語」を知っておく必要があります。

 

絶対に野球部用語を教えないようにしてください。そして挨拶だけではありませんが指導者、お父さん、お母さんが発する言葉そのものが子どもたちに影響を与えるのです。グラウンドにいるときはもちろん家にいるとき、子どもと一緒にいるときにも発する言葉には気をつけてください。

 

言葉の持つ力はすごいものがあります。言霊と言われるぐらいですからあなたが発する言葉が自分や相手を幸運にも不幸にもなります。美しいきれいな言葉を発するようにしましょう。

 

■野球部出身は自分で考えられない

 

そして一番私が言いたいのはこのことです。「言われたことはできる」です。野球の指導でほとんどが指導者の言ったことを言われたとおりにプレーします。言われたことができなければ「こうしろ!」と言います。とにかく指導者が言ったことをできるように仕向けます。

 

こう言った指導をし続けると言われたことはできるようになります。例えばグラウンドをみんなで走るときは足をそろえて列をそろえて声を出して走ります。足が揃わなかったら「足を揃えろ」と言い列が乱れたら「列を揃えろ」と言います。決して理由は言いません。

 

そう言い続けると子どもは怒られたくないから足を揃えて列もそろえるようになります。言われたことはできるようになるのです。守備でも「こうやって捕れ」バッティングでも「こうやって打て」と指導するので言われたとおりにすることはできますが考えることはできません。なぜ、こうした方がいいのか分からないから考えることができなくなるのです。こういった思考をもって社会人になると本当にできない人間になります。

 

確かに言われたことは素早くできます。例えば「あれを倉庫に持って行って」なんて言われると、力仕事は任せてくださいと言わんばかりに素早く倉庫に持っていくことはできます。言われたことしかできないと倉庫に持っていくことだけしか考えないので倉庫に持っていったらそれで終わりです。その先は考えていません。と言いますか考えられません。

 

当たり前ですが倉庫に持っていったらどこかに納めないといけません。ただ収めるだけでなく次に使う時に使いやすい場所に納めるとか、ここに納めたらこれを出すときに邪魔になるな。と言ったことを考えないといけません。

 

上手くいかない時に「なぜうまくいかないのか?」と考える必要があるのです。私のように「何とかなる」と常にプラス思考でいても何もならないのです。上手くいかないことが改善されないのです。

 

上司や同僚から何か頼まれごとや仕事を依頼されたときに当たり前ですがなぜこの仕事をするのか?これをどうすれば簡単にできるのか?もっと効率よくするにはどうするのか?を考えて行動しなければいけません。このように「考える」と言うソフトを頭にインストールしないと考えることはできません。

 

■自分の頭で考えさせる

 

これからの時代は「考えて、それを実行すること」が重要になってきます。この「考える」と言うソフトをインストールしてあげるのが指導者、お父さん、お母さんの役目なのです。特に指導者は「あーしろこーしろ」と言うのでなく、まずは「理論」を教えてください。「理論」を教えてあげてから「考える」と言うことを教えてあげてください。

 

「理論」とは私がいつも言っているのでわかると思いますがそれをするためには「どうしたらいい?」を考えさせてください。その答えはいくつもあります。子どもによって答えは違うのですから。

 

お父さん、お母さんも家で「自主練しなさい」「勉強しなさい」「●●しなさい」と言う前に「なぜ、自主練習をしないといけないのか?」「それをするにはどうしたらいいのか?」と考えさせてから行動を起こすようにしてください。

 

自分の頭で考えることで自分で自分の未来を作っていくことができます。誰かの言われた通りの人生が悪いと言うわけではありません。自分が言われた通りの人生がいいと望んだのならそれでいいのですが、私は言われた通りの人生はつまらないので自分で楽しい人生にするために自分で自分の人生を作ることができます。

 

是非あなたも、あなたの大好きな子どもも自分の望んだ楽しい人生を歩めるように「考える」ると言うソフトをインストールしてみてください。

 

それでは、今回は以上にします。

 

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この記事を書いたのはこんな人


沖増茂伸(おきますしげのぶ)野球専門カウンセラー

◆元社会人野球選手(現役10年)

◆都市対抗野球全国大会優勝

◆東海地区ベストナイン受賞

◆ベーブルース杯大会首位打者

◆東海地区春季大会首位打者

 

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