<間違いだらけの野球教室>闘志をむき出しにしろ!気持ちをぶつけろ!について

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<間違いだらけの野球教室>闘志をむき出しにしろ!気持ちをぶつけろ!について

 

 

試合や練習で気のないようなプレーをしたら「気合を入れろ」と言ったりしませんか?

 

 

打てなくてふてくされたまま練習したりしていたら「気持ちをぶつけろ」などと言いませんか?

 

 

ミスしたり打てない時にクールにいたら「もっと悔しがれ!」「気持ちをぶつけろ」と言う指導者やお父さん、お母さんもいませんか?

 

 

「気合をアピールしました」と言って1塁にヘッドスライディング。ノックの時にノッカーに負けないようにどんな打球も身体で受け止める。

 

 

こんな練習風景を私は何度も経験しました。私はもともと感情を表に出せない人間です。クールと言うか動じないと言うかあまり声を出したり、人前に出るのが苦手な人間です。

 

 

特に小学生、中学生、高校生は極度にあがり症ですし、人前に出るのが苦手でした。

 

 

そんな私が野球を通じて言われ続けてきたのが「気合」「根性」「努力」でした。なにかあれば「気合が足りない」「根性が足りない」「努力が足りない」と言われてきました。

 

 

当時は「気合」「根性」と言われると大きな声を出したり、打つときに「おりゃー」と声を出したりしていました。と言うよりさせられていました。

 

 

ノックでも取れない打球でも飛び込んで根性をアピールしていました。すると指導者も「おっ!気合入ってるなー」と言ってくれるので「そうしなきゃいけないんだ!」と思うようになり取れなくても飛び込んでいました。

 

 

話はそれますが、この記事を書いているときに高校生の時を思い出しました。今、思い出してもおかしなことを監督は取り入れたなーと思います。

 

 

それは、ある強豪チームとの練習試合でのことです。甲子園にも出場するようなチームですし練習も非常に厳しいチームで有名でした。

 

 

私が高校生の時は強いチームは練習が厳しいのが当たり前と思っていた時期です。そのチームの何かを吸収して自分たちに取り入れようと言う目的でもありました。

 

 

さすがに強豪チームです。試合前から「気合が違います」。まずグラウンド整備ですがトンボを取りに行くまで猛ダッシュ!トンボをもってグラウンド整備をするときに「グラウンド整備始め!」と言う声音ともに「うぇーい」と大きな声を出してグラウンド整備が始まりました。

 

 

当時はさすがだなーと思いましたが今となっては・・・・

 

 

全てにおいて「気合」が入った行動をしていました。そして監督が一番影響を受けて取り入れたのが、「気合の舞」です。

 

 

これはどういうことかと言うと、試合開始後、守備に行くときに選手全員がマウンドに集まります。そしてマウンドに集まった選手が「ウォーウォーウォー」と雄たけびを上げます。

 

 

この雄たけびは5秒ぐらい続いたと思います。この雄たけびが終わったら誰かが掛け声をかけて一斉に自分のポジションに行きます。行く途中も雄たけびは上げています。

 

 

そして、自分のポジションに着くと同時に全員がヘッドスライディングをしたのです。これには私たち選手はドン引きです。これはさすがにやりたくないなーとみんなで言っていたぐらいです。

 

 

そんな気合の入った強豪チームとの試合が終わり帰っていきました。もちろんぼろ負けです。話にならないぐらいズタボロにやられました。

 

 

試合でぼろ負けした次の日の練習はいつもより厳しい練習が待っています。当然ぼろ負けしたのだからそれなりの覚悟をもってグラウンドに行きました。

 

 

そして、監督からいつものごとく説教から始まり「お前らに足りないのは気合だ、今日から気合を入れるために厳しくする」と言われ、何をするのかなーとビビっていました。

 

 

すると、監督から「昨日の○○高校のように気合の舞を取り入れる」と言ったのです。内心「えー」ですよ。試合だけでなく練習から取り入れたのですから、本当に「恥ずかしかったです」

 

 

練習で守備練習の前にマウンドで雄たけびを上げ自分のポジションに行ったらヘッドスライディング!他の生徒からいつも「なにあれ?」と言われていました。

 

 

その生徒に答えようにも「気合の舞」としか言えませんでした。当時は仕方なくやっていましたが本当に今考えたら相当恥ずかしかったですよ・・・・

 

 

と昔話になってしまったので話を戻しますね。

 

 

 

打てなくても「気合が足りない」守れなくても「根性が足りない」試合前は決まって「気合入れていこう」と言う掛け声でした。

 

 

「気合」って何でしょうか?「根性」って何でしょうか?辞書で気合と調べたら。

 

 

気合=あることに精神を集中してかかるときの気持ちの勢い。と書いてあります。

 

 

根性=物事を最後までやり通すたくましい精神。と書いてありました。

 

 

辞書の言葉ですから難しく書いてはあると思いますが、それでもあまり意味が分からないですよね?しかもこの意味を野球にあてはめたらもっとわからなくなりますよ。

 

 

闘志=戦おうとする意志。と書いてあります。闘志をむき出しにして戦え!って「俺は戦う!戦う!戦う!」と言いながら試合をするのか?そんなことを言いながら試合しても勝てないし面白くない!

 

 

つまり、「気合だ!」「根性だ!」と言う人自体がこの言葉の意味も分からず「気合、根性、闘志、気持ち」と言うもっともらしい言葉を使えばいいと言う勘違いをしているのです。

 

 

野球の話ではないですが最も分かりやすいのが「愛」と言う言葉。

 

 

人を愛するときに使う言葉ですが、そもそも「愛」って何?ですよね?「愛」と言う言葉を調べたら可愛がる、いとおしく思う、大事なものとして慕う心。と書いてありました。

 

 

分かるようでわからないですよね。でもみんな「愛」を語るんですよ。「愛」も知らないくせに。私の愛ってなんだ?と思っているので「愛している」とか「愛が一番大切」とか一切言いません。これを書いているだけでも恥ずかしいし、気持ち悪いです。

 

 

愛を語るときって意味を分かっていなくても「異性を口説く」時などに使いますよね。「愛」を語ればOKみたいな感じで・・・

 

 

話がまたそれましたが私が言いたいのは「気合」「根性」「愛」なんて言葉に具体性が無いんです。具体性が!

 

 

エラーをした!「気合が無い」「もっと向かってこい」と子どもに言ったところで「????」しかならないですよ。子どもたちの頭に「????」が残ったままだから次も同じようなエラーをして、また「気合が足りないんだよ」と言うから子どもたちも「????」から今度は面白くないから不貞腐れる。

 

 

すると、また指導者から「気持ちが出せないなら帰ってもいい」と言われるから「どうしていいかわからない」となる。

 

 

私も言われ続けてきたのでよくわかりますが「気合」「根性」とかではなく「こうした方がいい」とか「次はこうしてみろ」と言うような具体的なアドバイスが欲しいのです。

 

 

このことに関しては指導者やお父さん、お母さんはしっかり理解して欲しいのです。やる気がないのではないのです。やる気は十分あるのです。それを表に出さない子ども、出せない子どもがいるのです。

 

 

クールにやっている子どももいますが、内に秘めているものは人一倍持っている子どももいます。私はクールに野球をやってもいいと考えています。それを無理に「やる気を出せ」「向かっていけ」と簡単に言うのでなく、そうすればいいのかアドバイスしてあげてください。

 

 

「声を出せ」「身体で止めろ」などと言うのでなく、具体性を持ったアドバイスをしてあげてください。そうすれば子どもたちも何をすればいいのか分かってきます。

 

 

分かってきてそれがうまくいくようになれば自然と声も出てくるだろうし積極的に行動できるのです。

 

 

このまま書き続けたら止まらくなるので今日はここまでにしておきます。

 

 

まとめますが「気合」「根性」「愛」などと言う具体性がない言葉を子どもに言うのでなく具体的な行動ができるアドバイスをしてあげてください。

 

 

そして感情を出せない子どもたち、出さない子どもたちを無理やり変えさせようとしないでください。野球は泥臭くと言うイメージがありますがクールに野球をやったっていいのです。

 

 

楽しく野球をやり続けていきましょう!

 

 

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